ケネディ暗殺や初の宇宙飛行 AP通信、歴史的な報道写真のNFTを販売

世界的な報道機関「AP通信」は10月19日、仮想通貨取引所のBinanceが運営するマーケットプレイスで、歴史的な瞬間を伝える報道写真のNFTシリーズを発売した。「Unique Moments」と題したコレクション。ケネディ大統領の暗殺や初の宇宙飛行など、AP通信が過去100年間に報じた重大ニュースの写真をデジタル化したものだ。

NFTコレクションにラインナップされたのは、国際紛争や宇宙飛行、科学などの歴史的な瞬間を捉えた写真。チェ・ゲバラの革命やケネディ大統領の暗殺、宇宙に行った初めての人間、マンデラ大統領の就任式など、世界を駆け巡ったニュースの写真だ。そのリストはBinanceのウェブサイトで告知されている。

これらのNFTは、ミステリーボックスとオークションという2つの方式で販売された。ミステリーボックスは購入時に中身がわからない方式で、29BUSD(約3300円)という価格が設定された(BUSDはBinanceのステーブルコインで、米ドルとほぼ同額の価値を持つ)。

ミステリーボックスは10月19日12時(協定世界時)に発売され、短時間で売り切れた。しかし購入者がBinanceのNFTマーケットプレイスに次々と出品しているため、そこで二次流通しているNFTを購入できる。

価格はさまざまだ。イラクのクウェート侵攻の写真が13BUSD(約1500円)、ケネディ大統領の暗殺が3900BUSD(約44万5800円)など、写真の種類によって大きな差がある。開封前のミステリーボックスが35BUSD前後(約4000円)で転売されているケースもある。

一方、ミステリーボックスとは別に、オークション方式で販売されているNFTもある。第二次世界大戦時に連合国首脳が集まったヤルタ会談や、イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式といった歴史に残るシーンの写真だ。

こちらは最低入札額が2000BUSD(約22万8600円)からのスタートで、10月26日12時(協定世界時)までオークションが行われる。

AP通信は今年5月にもNFTを販売している。そのときは最大手のNFTマーケットプレイスであるOpenseaに、第二次世界大戦中に硫黄島に上陸したアメリカ軍が国旗を上げる写真を出品した。