米Metaの新ヘッドセッド「Meta Quest Pro」発表、Microsoftとも提携

2022/10/12

米Metaは10月11日、新しいVRヘッドセッド「Meta Quest Pro」を25日に発売すると発表した。現在発売しているVRデバイス「Meta Quest 2」の上位モデルで、価格は1499ドル(約22万円)から。日本での販売価格は22万6800円で、同日から予約を受け付けている。

11日にオンライン開催したVR・ARの年次カンファレンス「Meta Connect 2022」で、同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が発表した。Meta ConnectはMetaが毎年行っている開発者会議で、かつては「Oculus Connect」「Facebook Connect」の名称で開催。VRやARに関する研究成果の報告などが行われるほか、Metaの事業方針も発表される。メタバースへの注力と社名の変更を公表したのも2021年の開催時のことで「Project Cambria」の名称でMeta Quest Proの開発も報告されていた。

Meta Quest Proはカメラを内蔵しており、ユーザーの視線や表情を認識してアバターへ反映する。外部カメラも改良され、周囲の様子がMeta Quest 2の白黒からフルカラーで映し出せるようになっている。そのため、現実と仮想現実を融合する、MR用途でも利用できるとのこと。

また、光を屈折させるパンケーキレンズにより、ディスプレーの厚さも従来から40パーセント薄くなった。電池の位置がディスプレー内から後頭部へと変わっており、ヘッドセッド装着時の負担も軽くなるという。

使用する半導体は米クアルコムの「Qualcomm Snapdragon XR2 Plus」で処理能力は50パーセント向上。メモリは12GBで、ストレージは256GB。USB Type-Cの高速充電に対応しており、本体とコントローラーが同時に充電できるドッキングステーションも用意されている。

また、Meta Connect 2022では、基調講演に米Microsoftのサティア・ナデラCEOも登壇。XR分野での両社の提携が発表された。

Microsoftのチャットアプリ「Teams」やソリューション「Microsoft 365」などのツールが、Meta Quest ProやMeta Quest 2に対応する。MetaのVR会議ツール「Horizon Workrooms」からTeamsでの会合に参加できるような連携も実施。Microsoft 365に含まれる「Word」や「Excel」「PowerPoint」などのOfficeのアプリを、Meta Quest ProやMeta Quest 2から直接利用することもできるようになる。ゲーム分野でのコラボレーションも行うとのこと。

ザッカーバーグCEOは、Meta Quest Proの提供により、ビジネス用途での活用の拡大を目指す考えを表明。Microsoftとの提携により将来的なバーチャルオフィスの設立の可能性も言及し「仕事のためにパソコンを購入している2億人が、メタバースで働くようにしたい」と強調している。