金融庁、Web3.0の金融サービス環境整備へ意見交換

2022/10/05

金融庁は10月4日、Web3.0サービスへの対応を考える「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」の第7回を開催。社会や経済への影響や、ブロックチェーン技術を活用した金融的手法やサービスについて議論した。

Web3.0の潮流を受け、政府は6月に「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」「骨太の方針2022」で、NFTや分散型自律組織(DAO)の利用などWeb3.0の推進に向けた環境整備の検討を進める方針を明記。8月には、河野太郎氏がデジタル大臣に就任している。ブロックチェーン技術の活用は、ユーザーが自分のデータやアイデンティティーを管理でき、価値が1つの企業に独占されないといったメリットがある一方で、実際は中央集権的であるとの指摘や投機的な金融要素と切り離せないといった指摘も起きている。

研究会では、Web3.0分析サービスを手がける米Chainalysisとブロックチェーンゲーム事業を手がけるGaudiyから、Web3.0を取り巻く国際環境や日本の政策の課題についてヒアリング。ブロックチェーンゲームの活用により、社会課題の解決につながるユースケースとしてどのようなものがあると考えられるかなども意見交換された。

ブロックチェーンを使った金融的手法やサービスは、伝統的なものと比較して迅速性の向上やコストの低減、きめ細かい利用者ニーズへの対応の可能性といったメリットが考えられるが、利用者保護や金融システムへの影響、ステークホルダーの平等性などの課題も問題視されている。そうした課題のほか、新しい金融的手法やサービスの用いられ方の評価の仕方や、金融行政において取り組む必要性がある項目の洗い出し、今後の展開などが話し合われた。

10月3日に召集された臨時国会の所信表明演説で岸田文雄首相が、Web3.0サービスの使用拡大に向けた取り組みを進めると言及するなど、政府も注力を表明している。7月には経済産業省が大臣官房に「Web3.0(ウェブ・スリー)政策推進室」を設置したと発表。資金調達、税制、事業体(ビークル)などの事業環境担当課室やコンテンツ、スポーツ、ファッション、アートなどの業種担当課室が一体で、デジタル庁などの関係省庁と協働し、ブロックチェーンを基盤としたWeb3.0に関連する事業環境課題を検討する体制を強化するという。9月にはデジタル庁に、Web3.0推進へ向け検討する「Web3.0 研究会」の設置も発表されていた。