岸田首相が所信表明、成長のための投資と改革でWeb3.0への注力言及

2022/10/04

第210臨時国会が10月3日召集され、岸田文雄首相が所信表明演説を行った。経済政策では「物価高や円安への対応」「構造的な賃上げ「成長のための投資と改革」の3つを重点分野として挙げ、その中でメタバースやNFTなどWeb3.0サービスへの注力も言及した。

岸田政権は4日に発足から1年を迎え、所信表明など首相の国会演説は今回が4回目。今回は、足元の具体策推進を前面に押し出し「日本経済の再生を最優先の課題」と表明している。

重点分野として挙げた成長のための投資と改革では、社会課題を成長のエンジンへと転換し、持続的な成長を実現させるという考えの下で「科学技術・イノベーション」「スタートアップ」「GX(グリーントランスフォーメーション)」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の4分野で、官民の投資を加速させる。DX投資では「メタバース、NFTを活用したWeb3.0サービスの利用拡大に向けた取り組みを進める」と触れた。

今夏、内閣官房が全国の自治体によるデジタル技術を活用した地方活性化の取り組みを競う「夏のDigi田(デジデン)甲子園」を主催。岸田首相の目玉政策「デジタル田園都市国家構想」の具体策や構想に対する国民の関心の向上、地域の課題解決や魅力の向上へ、創意工夫にあふれる優れた取り組みを競うもので、9月に行われた表彰式には岸田首相も出席している。そうした取り組みにも触れ「DXの一層の推進に向け、マイナンバーカードについて健康保険証との一体化など利便性の向上を飛躍的に進め、おおむね全ての国民への普及のための取り組みを加速するとともに、地域でのデジタル技術の社会実装を重点的に支援していく」と述べた。

Web3.0の潮流に対し、ポテンシャルとリスクを正確に捉えるため、経産省は7月、大臣官房に「Web3.0(ウェブ・スリー)政策推進室」を設置。またデジタル庁は9月30日、Web3.0推進へ向け検討する「Web3.0 研究会」の設置を発表している。