23日開業の嬉野温泉駅をメタバースで DNPなど開発

佐賀県嬉野市の地域資源を体験できるメタバース「デジタルモール嬉野」が9月22日にオープンした。メタバースを通じた観光で、嬉野市の交流人口の拡大や観光まちづくり、地域創生の実現を目指す。

デジタルモール嬉野は、大日本印刷(DNP)と嬉野市、日本工営、ケー・シー・エスが連携し開発した。オープン翌日の9月23日は、西九州新幹線が武雄温泉(佐賀県武雄市)〜長崎駅(長崎市)間で開通予定で、嬉野市内には新幹線単独駅として新たに嬉野温泉駅が開業し、周辺には交流拠点が置かれる。嬉野市はそれを契機として、内閣府の「未来技術社会実装事業」を活用した新たな観光・まちづくりを目指したプロジェクトを進めていた。デジタルモール嬉野はその一環。

デジタルモール嬉野上では、嬉野温泉駅や、同時開業する嬉野観光交流センターなどが、建築データに基づいて高精細に再現。観光情報の収集から出展店舗での名産品の購入、360度カメラで撮られた実写の観光地などをアバターで訪問、体験でき、内部に複数置かれているコインを集めると、カプセルトイを楽しめる。カプセルトイは、現実の店舗で使える特典も得られる計画だ。

専用機器など不要で利用が可能。同じ空間に30人、同時接続で200人以上が参加できる。同じ空間にいる利用者同士でのチャットも楽しめるという。

DNPはメタバースの構築支援に加え、動画広告によるデジタルプロモーションや、オンラインでの接客、観光案内を展開している。「旅マエ(旅行準備)」「旅ナカ(現地での滞在)」「旅アト(帰宅した後)」の体験を提供することで、嬉野市の交流人口増を目指す。具体的には、現実世界の嬉野市内から、オンライン配信やライブコマース(商談・販売会)を行う予定という。