エルメスがWeb3.0参入意欲か NFTやメタバース分野で商標出願

仏高級ブランドのエルメスが、NFTや暗号資産などWeb3.0関連の商標を相次いで出願している。商標を専門とするアメリカの弁護士Mike Kondoudis氏が8月31日にツイッターで明らかにし、注目を集めている。

米特許商標庁(USPTO)のデータベース検索で、8月26日付で仏本国のエルメスから出された「HERMES」の文字商標を調べてみると「digital collectibles and non-fungible tokens (NFTs)」や「metaverse」といった文言が確認できる。対象の商品・サービスは、バーチャルグッズの作成から保管、交換、購入、貸与などが挙げられ、その領域は暗号資産ウォレットやマーケットプレイス、オンラインオークション、暗号資産の送金、そしてファッションショーまで多岐にわたっている。

現状は商標出願の段階で、まだ登録が承認されたはいない。また仮に商標をおさえても必ずしもサービスを提供するとは限らないが、もし商標出願が承認された場合、エルメスは、バーチャルグッズを搭載したダウンロード可能なゲームや、電子商取引(EC)技術を利用したユーザー認証サービスなどを提供する予定ではと報じられている。

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高級ブランド関連では、グッチが2月、アニメーションの有名人や玩具、デジタルコレクティブの制作ブランドSUPERPLASTIC とのコラボNFT「SUPERGUCCI」シリーズをリリース。ドルチェ&ガッバーナは、高級ファッションNFTマーケットプレイス「UNXD」と共同でメンバー限定NFTコミュニティー「DGFamily」を立ち上げている。ルイ・ヴィトンはブロックチェーンゲーム「Louis: The Game」を提供するなど、それぞれWeb3.0施策を積極的に進めている。Web3.0事業などを手がけるBentley Blockchain Associationの共同設立者兼代表のAlex Kim氏は、グッチやプラダ、ルイ・ヴィトンなどの高級ブランドは、NFTとWeb3.0を活用してブランドイメージを刷新し、既存顧客のロイヤルティー強化とともに若年層の新規客にもアピールすることができると述べている