トークン活用で有料課金、暗号資産メディア「The Block」がWeb3型のサブスクを導入

暗号資産・ブロックチェーンを中心に扱うメディア運営企業「The Block」は8月25日、コンテンツの有料課金システムとして、Access Protocolというトークンを活用した仕組みを導入すると発表した。Web3型のサブスクリプションシステムの実験と言える。

Access Protocolは、Access Foundationが開発したデジタルコンテンツのマネタイズのための仕組み。Wブロックチェーン技術を活用して、クリエイターの収益化や配信の改善、消費者のコンテンツへのアクセス性やユーザーエクスペリエンス(UX)の向上を目指している。ニュースサイトに導入されるのは、The Blockが初めてだという。

新しい課金システムは2022年第4四半期から本格稼働する予定。暗号資産ウォレットをThe Blockのウェブサイトに接続し、Access Protocolのトークン(ACS)をステーキング(預入)すると、限定コンテンツが閲覧できるようになる。

新たな仕組みで閲覧できるコンテンツの具体的な内容は不明だが、The Blockでは現在、年間250ドルの「ニュースプラス会員」や法人向けの「リサーチ会員」(企業によって価格は異なる)を導入していて、入会すると取材秘話やレポート分析などの追加情報が得られる。ACSトークンでも、同様のコンテンツを閲覧できるようになる可能性がある。

The Block CEO(最高経営責任者)のMichael McCaffrey氏は、メディアとクリエーターのエコシステムがより健全で活気あるものになると期待して、「イノベーションの最前線に立つ機会だ」とコメントしている。

McCaffrey氏は26日、自身のブログで、当初は公開記事の20%程度にAccess Protocolを使ったペイウォール(有料課金)を導入すると明らかにした。導入によって取引手数料が不要になることなどを図解しつつ、ユーザー側の利点として、一度でも最低基準額のACSトークンをステーキングすれば継続課金が必要ないなどの点を挙げている。

また、他のメディアもAccess Protocolを導入した場合、ユーザーはそこで同じ暗号資産ウォレットを使用できる。現状のようにサイトごとにクレジットカード情報を登録する必要がなくなるのもメリットの一つだと、McCaffrey氏は指摘している。