OpenSeaの「盗まれたNFT」凍結、規約の改定求め弁護士提訴

2022/08/08
画像 Shutterstock

大手NFTマーケットプレイスのOpenSeaが、盗品のNFTを取り扱いを巡り、米ミシガン州の裁判所に訴訟を起こされた。訴えたのは米弁護士のJesse Halfon氏で、取り扱いポリシー改定を要求している。

Halfon氏は、NFTプロジェクトや分散型自律組織(DAO)に詳しい弁護士。訴訟は、OpenSeaが「盗まれた」と報告されたNFTをどのように扱うかに焦点を当てている。このポリシーは、ユーザーの間でも不満の対象となっており、以前から議論になっていた。

OpenSeaのポリシーでは、盗品のNFTの販売は許可されていない。盗品だと報告のあったNFTは取引を凍結されるが、盗まれたものだと知らずにNFTを購入してしまったユーザーは、盗難に関与していないにもかかわらず資産をロックされることにもなっていた。

米報道によると、そうして凍結された資産の総額は、数十億円規模とのこと。Halfon氏は、盗品だと申告され凍結されたNFT資産問題の打開へ少額訴訟を起こしたが、同意するユーザーは多く、集団訴訟になる可能性がある。

一方で、Openseaの規約には「仲裁合意の範囲内のすべての請求および紛争は、代表的または集団的なクラスベースではなく、個人ベースで仲裁されなければならない」と記されており、集団訴訟を事実上禁止している。Halfon氏は、規約の存在により集団訴訟を起こす可能性は低くなったものの「不可能ではない」ともコメント。集団訴訟以外の手段で、解決方法を探していることをにおわせている。

サイバーセキュリティー情報サイト「Comparitech」が8月5日に発表したリポートによると、NFTのNFTの盗難被害事例が最初に確認されたのは2020年で、その後大幅に増加。現在までに8600万ドル(約114億5700万円)以上が盗まれているという。

被害額が数億円を達する事例も10件以上発生しており、これまでで最も被害額が大きかったNFTのハッキング事例は、22年1月に発生した香港のブロックチェーン企業Animoca Brands(アニモカブランズ)の子会社のスポーツ系NFT「Lympo」。ホットウォレットがハッキングされ、約1870万ドル(約25億円)に相当する1億6520万LMTトークンが盗まれている。