NFT盗難被害の総額は約114億円に 最高額は「Lympo」約25億円

2022/08/05

サイバーセキュリティー情報サイト「Comparitech」は8月5日、NFTのハッキング被害についてのリポートを発表した。NFTの盗難被害事例が最初に確認されたのは2020年で、その後大幅に増加。現在までに8600万ドル(約114億5700万円)以上が盗まれているという。

リポートによると、被害額が数億円を達する事例も10件以上発生している。これまでで最も被害額が大きかったNFTのハッキング事例は、22年1月に発生した香港のブロックチェーン企業Animoca Brands(アニモカブランズ)の子会社のスポーツ系NFT「Lympo」。ホットウォレットがハッキングされ、約1870万ドル(約25億円)に相当する1億6520万LMTトークンが盗まれている。

次に被害が大きかったのはWAXチェーンのゲーム「Farmers World」で、21年11月に発生。被害額は約1570万ドル(約21億円)といわれているが、実際はその3倍に達した可能性があるとの指摘もある。

22年4月には、人気NFTプロジェクト「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」のInstagram公式アカウントがハッキングされNFTが不正流出。無料でNFTを配布すると偽の公式サイトに誘導し、ウォレットに接続したユーザーの資産が盗まれたという。被害にあったNFTのフロアプライスは約1400万ドル(約18億7000万円)に相当。またBAYCは6月にもDiscordのサーバーがハッキングされ、少なくとも約200ETH(約4700万円)相当のNFTが流出している。

4位以下の被害事例は次の通り。

・NFTゲームプロジェクト「DragonSB Finance」(22年4月発生)
被害額:約1000万ドル(約13億3000万円)
・NFT マーケットプレイス「OpenSea」(22年2月発生)
被害額:約340万ドル(約4億5000万円)
・NFT&GameFiプラットフォーム「TopGoal 」(22年2月発生)
被害額:約223万ドル(約3億円)
・NFT コレクション「The Shifters」(22年3月発生)
被害額:約 200万ドル(約2億7000万円)
・インテリジェントNFT「Alethea AI」(22年3月発生)
被害額:約 180万ドル (約2億4000万円)
・NFTプロジェクト「Moonbirds」(22年5月発生)
被害額:約 150万ドル (約2億円)
・NFTファイナンスプラットフォーム「Omni」(22年7月発生)
被害額:143万ドル (約1億9000万円)

被害額の算出はハッキングのみで算出し、従業員による盗難や偽サイト作成などによる詐欺、個人による盗難は含まれていない。

NFTのみならず、暗号資産の流出事例なども頻発しており、対策が求められている。8月3日にもSolana(ソラナ)ブロックチェーン上でハッキングが発生。Solana基盤の暗号資産ウォレットやサービスから大規模な不正流出が起きている