千葉の検見川神社が「お守りNFT」発売 自動消去で“おたき上げ”

2022/08/02

千葉市花見川区の検見川神社と、古事記や日本神話を基にした作品作りを行うクリエーターチームの古事記projectは7月29日、お守りのNFT「Kemigawa Jinja Collection」を発売した。神社がお守りのNFTを発売するのは初とのこと。

神社の授与品であるお守りを、NFTにして頒布する。お守りは本来有効期限があり、1年でご利益が切れてしまうとされている。1年が経過したお守りは、授かった寺社に返納しておたき上げすることが一般的だが、お守りNFTは授かってから1年が経つと自動的にNFTが消滅する「Burn(バーン)」をし “おたき上げ”されるように設計。永続的に残すことができるデジタルデータにあえて、なくなる機能も備えることで、より現物のお守りと近いものにしたとのこと。またおたき上げ後のお守りNFTは新しいNFTに変化し、Burn後も楽しめるという。

バーチャルのお守りだが、神社で頒布されている現物のお守りと同じく、検見川神社で祈祷したものとのこと。お守りは10種類発売し、「合格祈願守」や「恋愛成就守」「家内安全守」「開運厄除守」「商売繫盛守」「必勝祈願守」などのほか、暗号資産ウォレットの安全を祈願した「ウォレット安全守」やNFTコレクションのフロアプライスが下がらないように祈願した「フロアプライス下落除守」といった、NFTならではのものも用意されている。

Kemigawa Jinja Collectionの発売は、暗号資産ウォレットのメタマスクと暗号資産のイーサに対応。価格は各0.005イーサ。大手NFTマーケットプレイスOpenSeaの二次流通も可能だが、BurnはNFTが発行から1年後のため、二次流通品は取得後1年未満で消滅する可能性がある。

検見川神社では従来、遠方の居住者など直接来ることが難しい参拝者のためのオンラインでのお守り販売などを行っていた。NFTのお守りは、それをさらに押し進めたもので、NFTやメタバースを活用して、古き良き歴史と伝統を大切にしながら新たな神社の収益源を模索する。

今後は9月に「御朱印NFT」を発売予定。検見川神社で発売している定番の御朱印や月替わりの御朱印をNFTにして毎月発売し、12カ月分の御朱印を集めると、特別な御朱印NFTが付与されるという。また12月ごろには、鳥居や灯籠などのNFTを購入すると実際の神社の土地に購入者の名前や会社名が刻まれた鳥居や灯籠が建つ「ご奉納NFT」の発売も予定されている。将来的にはメタバース上にも神社を設置する計画で、ご奉納NFTの購入者にはメタバース神社にも同じように名前や会社名が記された鳥居や灯籠が設置されるという。

検見川神社は、八方除総鎮護の神社で、地相家相方位などに起因する災禍災厄を祓う「八方除」を基とした厄除で知られる。