ドバイがメタバース新戦略、5年間でGDP約5521億円押し上げへ

2022/07/20
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アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国のハムダン皇太子は7月18日、メタバースに関する新戦略を明らかにした。5年以内に4万件以上の雇用を創出し、ドバイの国内総生産(GDP)換算で40億ドル(約5521億円)増やすことを目指すという。

ハムダン皇太子が自身のTwitterで発表した。新戦略は、ブロックチェーン企業の数を5年間で5倍に増やすというドバイ政府の目標の支援が目的という。ドバイにはすでにメタバースとブロックチェーン分野の企業が1000社以上あり、ハムダン皇太子は、国家経済に5億ドル(約689億円)の貢献をしていると言及。メタバース領域のイノベーションと経済効果の促進や人材育成も行い、世界のメタバース経済でトップ10位入りを目指す。

UAE経済の中心であるドバイ政府は、国営通信社によるとユーザーにとって安全で強固なプラットフォーム構築の世界標準を開発し、技術採用を加速させるためのインフラと規制整備を行っている。メタバース以外にも暗号資産関連企業の誘致も積極的に行っており、3月には暗号資産サービスプロバイダーの専門機関を設立している。

またドバイを拠点とするエミレーツ航空は4月、乗客と従業員のためのメタバースとNFTプロジェクトの提供を発表。エミレーツ航空は5年以上前から、公式サイトとアプリでVR技術を活用し、2021年にはOculusストアで独自のVRアプリもリリースしていた。プロジェクトの技術開発には、21年10月から3月まで開催されていた中東では初の「ドバイ国際博覧会(万博)」の跡地にあるエミレーツ館を活用し、メタバースやNFT、Web3.0などの人材を世界中から募集している。

ほかにも、民間不動産企業ダマックはデジタルシティーの建設を計画。ヘルスケア企業のThumbayは、仮想の診察のためのメタバース内の病院を今後数カ月の間に展開する予定と報道されている。