経産省に「Web3.0政策推進室」設置 一体で政策立案へ

2022/07/19

経済産業省は7月15日、大臣官房に「Web3.0(ウェブ・スリー)政策推進室」を設置したと発表した。資金調達、税制、事業体(ビークル)などの事業環境担当課室やコンテンツ、スポーツ、ファッション、アートなどの業種担当課室が一体で、デジタル庁などの関係省庁と協働し、ブロックチェーンを基盤としたWeb3.0に関連する事業環境課題を検討する体制を強化する。

Web3.0政策推進室では、海外での事業環境や、国内での事業環境課題について事業者、投資家、法曹界、エンジニアなどから情報収集。関係府省庁と協力して、Web3.0に関連する事業環境整備に取り組む。

経産省は、暗号資産やNFTなどのトークンを基盤とし、ブロックチェーン上でユーザー自らデータの管理、活用を行い新しい価値を創出するWeb3.0の潮流に対し、ポテンシャルとリスクを正確に捉える必要があると言及。またWeb3.0関連ビジネスを行う起業家が国外に流出している状況を踏まえ、日本国内の事業環境整備について検討スピードを上げる必要もあると指摘している。そのため、省内各局に分散しているWeb3.0関係課室などが一体で政策立案を行うチームを発足させたという。

経産省は3月、NFTを活用したファッション分野の展示会の高度化についての実証事業を実施。ブロックチェーンやNFTを活用したアート流通・評価のインフラ「Startrail」の構築を行うスタートバーンに委託し、リアルのギャラリーとメタバース空間を会場に、NFTを活用したファッション展示会「SIZELESS TWIN(サイズレス・ツイン)」を開催している。

また5月に行われた産業構造審議会総会ではレポート「経済秩序の激動期における経済産業政策の方向性」の中で、Web 3.0による日本の経済社会のアップデートのシナリオなどを公表。日々新たな技術やサービスが生まれている状況で、政府として縦割りを超えた対応や、規制と振興のバランスに留意し政府全体で取り組む必要性などについて議論を進めている。