「Web3戦略、加速度上げ取り組む」平将明・NFT政策検討PT座長らが登壇【Metaverse Japan Summit2022】

7月14日、東京都渋谷区の渋谷ストリームホールで「Metaverse Japan Summit2022」が開催された。主催は一般社団法人 Metaverse Japan。
オープニングセッションの「Web3メタバースが拓く新しい日本のデジタル経済」には、一般社団法人渋谷未来デザイン 理事・事務局長の長田 新子氏、PwCコンサルティング合同会社 Partner 執行役員の馬渕 邦美氏のほか、衆議院議員でNFT政策検討プロジェクトチーム座長の平 将明氏らが登壇した。日本のWeb3に関する現状や課題について議論すると共に、平氏を中心に、日本政府が考えるWeb3戦略についてもディスカッションを行った。
■低すぎるコンテンツの価値、Web3が解決
一般社団法人 Metaverse Japanは2022年3月14日に発足。現在は国内の大企業やベンチャー企業など、およそ140社が入会の意向を示しているという。「Web3時代に世界に日本の力を解き放つハブとなる」ことが設立の趣旨だ。
岸田政権が日本の成長戦略の柱にも据えているWeb3。自民党で「NFT(Web3)ホワイトペーパー」の取りまとめを主導した平氏は、セッションの中で「コンテンツの価値がグローバルから見て低すぎる。その問題を解決する一つのテクノロジーがWeb3だ」と発言。
仮想通貨ブームの次にNFT、そしてDAOが登場したことで、グローバルではWeb3が生態系として完成しつつある。
平氏は「Web2には、SNSを通して社会の分断や富の偏在、情報の集中といった問題がある」とした上で、Web3に代表されるブロックチェーン技術は、そうした社会課題を解決する手段になりえるとした。
「Web3は岸田総理が推進する『新しい資本主義』の成長戦略にも資するし、分配政策にも合致する。そのため、デジタル庁の重点計画や知財計画、自民党の公約にも取り入れられ、晴れて国家戦略になった」(平氏)
「DAOは株式会社以来の発明になると考えるし、これからどんどん若い人たちが、メタバースというパラレルワールドを生きるだろう。リアルとは別の経済圏が生まれる」(同)
同氏は、ブロックチェーンのインフラ自体がどれだけ強固か、どれだけのデータ量に耐えられるなどについては未だ検証の必要があるとした上で「日本がWeb1.0や2.0には乗り遅れた反省を活かし、Web3の波には乗り遅れないようにしたい。この動きは止まらない」との認識を示した。
■法体系の違いで2~3年の遅れも
しかし、グローバルではすでに、Web3に関して「日本は遅れている」「ガラパゴスだ」といった声が聞かれるのも事実だ。
その点に関して平氏は、諸外国と日本の法体系の差異が原因であるとして、以下のように述べた。
「イギリス、アメリカ、シンガポールなどは判例法なので、判例を積み重ねてどんどんルールを作っていく。事業者も新しいサービスをどんどん始めてしまう。弁護士に意見を聞いただけでサービスインしてしまうこともある」
「一方、日本とドイツは大陸法でルールがかちっとしていて、このルール(法律)を解消しないとグレーゾーンは解消できない。そのために法改正だけで2~3年かかってしまい、過去、インターネットの世界で負け続けてきた。どんどん前倒しで政治家をつついて、感度をあげていかないと世界にはついていけない」
平氏は、シンガポールで起業したAstar Networkの渡辺創太CEOに触れ「ガバナンストークンの時価課税問題、暗号資産の最高税率、これらの問題は何とかしたい。今年中にガバナンストークンの問題を解決できなければ、ビジネスモデルによってはシンガポールでやったほうがいいかもしれない、と答えることになりかねない」と危機感を述べ、通常2~3年かかるプロセスを1年で成し遂げるためには、内閣総理大臣のコミットメントが必要だとの認識を示した。
■Web3は西側諸国のグローバル戦略としても重要
馬渕氏が「Metaverse Japan Summitに期待すること」について問うと、平氏は
「新しいことをする際にはLaw maker(法律策定者)に相談するのが一番だが、個々の国会議員は非常に多忙で、事業者の個別アポイントに応じきれない場合がある」として、Metaverse Japan Summitのような団体に要望を寄せ、取りまとめる形で議員に提言することが有効だとした。
また「(Web2の)データドリブンエコノミーの中で、中国のように、専制国家的に情報を集約できる国が強みを発揮してきた。しかし(日本のような)民主主義や個人情報を重視する国家ではなかなか難しかった」と述べ「一方、そうした国家は(個々人がデータを保有する)Web3に乗ることはできない。日本はG7 の議長国でもあるので、日本のみならず、西側のグローバル戦略として重要な位置づけにあると考えている」との認識を示した。
「Web3の可能性は間違いない。よく『今儲かっているスタートアップはどこなのか。どういう業種でいくら儲かっているのか』という質問をしてくる大企業があるけれども、そういうことを言うこと自体がもう終わっている。インターネットの世界はずっと、赤字でも株価だけ上がり続けてきた。本当のキラーコンテンツはいつ出てくるか分からないけれども、いろいろな可能性がある」(平氏)
「Web3のマーケットは、いま金融引き締めで全体的なバリューが落ちているかもしれないが、小金稼ぎがいなくなるだけ。本質的な人たちが残って、これから広がっていくと思うのでフォローしておかない手はない」(同)
平氏は,、最後に「海外のクリプト関係者にも、日本のファンは多い」とした上で「海外から様々なWeb3人材に来てもらうことも大切だ。世界的なネットワークができつつあり、日本に行きたいという声も多数届いているので、国際的なカンファレンスを年内に開催できたらよいと考えている。わずか半年でWeb3が国家戦略になったので、これから加速度を上げてやっていきたい」と意気込みを示した。
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