サイバーエージェントがメタバース特化の新組織 顧問に隈研吾氏

2022/07/13

サイバーエージェントは7月12日、メタバース空間の建築物や空間デザインの研究、企画、制作を目的にした専門組織「Metaverse Architecture Lab(メタバースアーキテクチャラボ)」を設立。顧問に、建築家の隈研吾氏が就任したと発表した。

昨今、実在する都市と連動したメタバース空間の構築や、仮想の都市の土地開発や売買、小売業やメーカーによるバーチャル店舗の建設など、バーチャル建築物の取り組みが進んでいる。Metaverse Architecture Labでは、簡易テンプレートで構築できるバーチャル店舗や、実在する街並みや店舗などを再現したデジタルツインの空間、建築物だけではなく、建築基準法など現実世界の物理的な制約から解放されたオリジナルのメタバース空間を提供。ブランド体験の価値を高める空間デザインや、バーチャル建築物のあり方の定義を目指すという。

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隈氏とは、メタバースならではの空間デザインやバーチャル建築物のあり方について共同で研究。アパレルなどのブランド企業や小売企業の販促やブランディング活動で、新しい価値を生み出すバーチャル建築物を制作する。複合施設や仮想都市などの開発や、メタバースだからこそ実現できる建築のコンセプト設計などの検証や実証実験も行う。隈氏は顧問就任に「リアルな建築は、周辺の環境に負荷を与えたり、多くの資源を消費したりと、ある意味でわるさをしてきたといえる。バーチャル空間であれば、それらを乗り越えた『わるさをしない』新しい建築ができるかもしれない。制限のない空間だからこそ実現できる建築の可能性を探りたい」と述べている。

サイバーエージェントは2月に、バーチャル店舗開発に特化した事業会社CyberMetaverse Productionsを設立。リアル店舗やEC(電子商取引)とは異なる新たな販売チャネルとして、メタバース空間におけるバーチャル店舗のあり方を確立し、NFTを活用したデジタルコンテンツ制作や独自の暗号資産発行支援まで一貫して対応している。