22年1~3月のVRヘッドセット世界出荷数は241.6%増 米IDC調査

2022/07/11

米調査会社のIDC は、2022年1~3月のVRヘッドセットの世界出荷数が前年同期比で241.6%増だったと発表した。そのうちの9割が米Metaの提供するVRデバイス「Meta Quest 2」という。

IDC が6月30日に公表した報告書「Worldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker」によると、21年1~3月期はデバイスの供給不足が問題となっていた。その解消とともに継続的な需要が伸びたことが注目点という。Metaは、Quest 2が引き続き絶大な人気を得ていることに加え、ハードウエアの補助金を出しながら専用コンテンツを提供し続けていることからシェアを伸ばした。

次点は中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が提供する「Pico」で、シェアは4.5%。バイトダンスは21年に、VRヘッドセットを開発する小鳥看看科技(Pico Technology)を買収している。Picoは中国国内での展開が主だが世界向けにも販売しており、業務用セグメントで需要がある。欧州の多くの国で消費者向けのコンテンツライブラリーを増やしていることから、今後のユーザー増が想定されるという。

また、中国のDPVR、台湾の宏達国際電子(HTC)、中国の愛奇芸(iQIYI)は合計で4%未満のシェアで、上位5社に入った。

IDC Mobility and Consumer Device TrackersのリサーチマネージャーJitesh Ubrani氏は、「Metaはメタバースの開発に資金を注ぎ続けているが、収益性を犠牲にして低価格のハードウエアを推進する戦略は、長期的には持続不可能である」と指摘。一方で「Metaから発売される生産性重視のヘッドセットが、より高い収益を生むハードウエアに向けた同社のピボットへの出発点となる。平均販売価格の上昇と技術の大幅な向上で、業界全体のエンドユーザー価格の高揚をもたらすことにもつながる 」と述べている。

22年のVR出荷台数は、通年では26.6%増の1390万台に達する見込み。さらに成長することが予想されるが、23年は、Meta、Pico、Sonyの次世代ヘッドセットと、米Appleの初のヘッドセット発売が予定されているため、VR業界にとって重要な年になると思われるという。IDCのAugmented and Virtual RealityチームのリサーチディレクターRamon Llamas氏は「Appleのデバイスは主に、Appleファンの小さなオーディエンスにアピールするものになるだろう」とコメント。一方、MetaやSonyは、すでに大きなインストールベースと潜在的な需要を開拓することができると言及し「全体として市場を前進させる強力な原動力となる」と述べている。