ゲーム界はAI、NFTで「最もエキサイティングな10年に」【NFT.NYC】

2022/06/28
Immutableの共同創業者 Robbie Ferguson氏

米ニューヨークで開催されたNFTに関する世界最大規模のイベント「NFT.NYC 2022」で「Gaming NFTs」と題されたフォーラムが開かれた。NFTスタートアップImmutableの共同設立者、Robbie Ferguson氏が登壇し、NFTの可能性や限界、将来のトレンドを語った。

Ferguson氏は、AI技術やNFTの普及、Web3.0ゲーム内アイテムのマネタイズや資金調達の新しいトレンドのおかげで「ゲーム界はこれまでで最もエキサイティングな10年を迎えている」と発言。昨今のAIの進歩により、プロセスが「民主化」されてクリエーターにコンテンツ作成の権限を与えられるため、これまで以上に迅速で安価にゲームを開発することが可能になると述べた。

その一例としてAI画像生成ネットワークを上げ、ユーザーは「魔法使いの帽子をかぶったドラゴンが火星で魔法をかけている写真が見たい 」と一行の説明を入力するだけで、3Dモデルや画像を生成できると解説。NFTをすぐに作成したり売買したり、3Dモデルを作れるため、構築物に対する創造的なビジョン以外は不必要で資産を築くことができると語った。

また、技術的なバックグラウンドを持たない10億人ものユーザーが、人々がプレーしたいと思うようなゲームコンテンツを作れるようになるとも言及。NFTの普及が追い風になり、今はぜいたく品のようにも思えるデジタル資産も、やがてゲーム経済を支える数億人のプレーヤーと数十億ドル規模の取引が日常的に行われるアイテムになるという。その理由を「1ドル(約135円)や2ドル(約270円)で取引できるアイテムをゲーム内で獲得し、実際に価値を持たせるようにする方法であるとともに、ゲームやギルドの運営可能になることだから」と述べ、実現するための規模は整ったと断言した。

将来的には、ゲーム内アセットの流動性と取引量が非常に高くなり、それに連動したファンドや先物などの金融商品が登場して流通市場で取引されるようになると予想しているという。十分な一次需要があるため先物市場として成立しており、年商1000億ドル(約13兆5000億円)の他産業を参照すると「5~10年後には、ゴールドマン・サックスやその他のトレーディング会社でビデオゲーム内の資産を取引するトレーディングデスクが存在することは明らかである」と述べた。

新しい経済圏の誕生が実現すれば、金融機関はユーザーの人気を集めると思われるさまざまなタイプのゲームコンテンツに懸けることになり、ゲーム界の風景が変わる可能性があるとも指摘。予測可能な市場が突然生まれることもあり得るため「次のトレンドやジャンルは何か、プレーヤーはどんなコンテンツをプレーしたいのか。あらゆるものを予測する金融市場ができる」と話した。