Meta、アバター用ファッションマーケットプレイスの設立発表

旧Facebookの米Metaは6月17日、メタバースのアバター用ファッションマーケットプレイスの設立を発表した。高級ブランドのバレンシアガやトム・ブラウン、プラダと提携してアイテムを発売し、Meta傘下のSNS「Facebook」や「Instagram」などでも使用できるという。

同日に動画配信サービスの「インスタライブ」で、Metaの最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏が明かした。高級ブランドとの提携の理由を「人々のアクセスを拡大することがビジョン。評判の高いブランドからスタートすることが重要な一歩だった」と説明。ハイブランドのアイテムを用意することで、ユーザーが自身をより表現し、他者とつながることができるようになると述べた。

Meta は2021年10月、Twitterでバレンシアガに「メタバースにおけるドレスコード」を定義するよう依頼。バレンシアガは12月に、社内にメタバースビジネスユニットを設立することを発表している。バレンシアガのCédric Charbit最高経営責任者(CEO)は「私たちは現代のアイコンと同期しているべきだ」「メタバースをひとつの国として捉えている。バレンシアガが現在展開しているどの国とも同じように、重要な市場だと認識している」とコメントしていた。

まずは米国とカナダ、タイ、メキシコでサービスを提供する。アイテムの価格は2.99~8.99ドル(約402~1211円)を予定。今後は、他のデザイナーやクリエーターもオリジナルのデジタルファッションアイテムを販売できるよう目指す。

Metaは4月、同社の手掛けるメタバースサービス「Horizon Worlds(ホライズン・ワールド)」のクリエーター支援強化策をテスト運用すると発表している。21年10月に設立を発表していた1000万ドル(約12億6000万円)のクリエーター支援ファンドを拡大し、次世代クリエーターがメタバース空間で安定的にマネタイズできるよう複数ツールを試験。一部のクリエーターによる自作アイテムや限定エリアへのアクセス権などを販売するためのテストを行っていた。

また高級ブランドによるデジタルアイテム関連では、プラダが6月2日、新しいNFTコレクションを発表し、NFTプラットフォーム「Prada Crypted」をローンチ。イタリアの高級ファッションブランドグッチは2月、香港のブロックチェーン企業Animoca Brands(アニモカブランズ)傘下のNFTゲーム「The Sandbox」のメタバース上の土地「LAND」を購入。NFTなどを扱うGucciの新しいオンラインコンセプトストア「Vault」をベースに、ファッションに特化したメタバース空間を構築している。