Adobeがメタバース対応の新機能 特定イベント測定や分析可能に

米ソフトウエアのAdobeは6月15日、アクセス解析ツール「Adobe Analytics」で、メタバースに対応した新サービスを公開した。他の分析ソリューションからシームレスにデータを移行するサービスも始める。

顧客へ没入型体験や3D体験を提供する企業の増加に伴って、Adobe Analyticsをメタバース対応し、プレビュー公開する。Adobe Analyticsのプラットフォームアーキテクチャを再設計し、新しいチャネルにもシームレスに拡大するため、メタバース上の3Dオブジェクトや没入型体験のエンゲージメント回数などの特定のイベントを測定、分析できるようになるという。

複数のメタバースにまたがるインタラクションも収集が可能。そうしたデータを、ウェブサイトやモバイルアプリケーションなどの他のチャネルのインサイトと組み合わせることで、変化する消費者の嗜好を把握できるという。

新サービスの、データをシームレスに統合する「Bulk Data Insertion API」と、データを移行する際に、データの整形や加工が不要なデータプレパレーションのプロセス「インテリジェント データマッピング」も始める。Bulk Data Insertion APIは、膨大なボリュームであっても履歴データをAdobe Analyticsに移動し、有効化。オンラインとオフラインのあらゆるチャネルに対応し、POS端末やCRMシステム、モバイルアプリのデータソースから移行することができる。

インテリジェント データマッピングは、企業がデータを移行する際の大きなハードルのひとつである、移行先の分析プラットフォームに適合するようにデータを整形、加工。読み込み時にデータが損傷しないよう基本的な構造を維持し、エラーを整合性するだけでなく、カスタマージャーニーを測定する新しい方法も提案する。新しいアトリビューションモデルなどの任意のディメンションを過去のデータにさかのぼって適用することもできる。

また、クロスチャネルに対応したデータ分析アプリケーション「Adobe Customer Journey Analytics 」で、カスタマージャーニー全体の中でストリーミングコンテンツの役割を把握する新機能もリリースした。主にエンターテインメント業界で重視されるビデオやオーディオコンテンツが、小売業や銀行などの他業界でも注目される傾向が続いていることから追加したという。任意のデジタルメディアの消費をSNSやウェブサイト、オフラインチャネルなど、他のチャネルでのエンゲージメントに関連付けられるようになる。小売業者がSNS上での顧客の反応や、実店舗への訪問や購入につながったコンテンツを特定、活用して、より良いパーソナライゼーションやリテンション活動の推進を図ることができるようになるという。

Adobe のAdobe Experience Cloudプラットフォーム&プロダクト担当シニアバイスプレジデントのAmit Ahuja氏は「パーソナライズされた顧客体験の提供は、あらゆる業界の企業にとって最重要課題。メタバースやストリーミングメディアに対応することで、カスタマーエンゲージメントのより適正なオムニチャネル分析ソリューションとして業界をリードしていく」と述べている。