メタバースの起源「スノウ・クラッシュ」作家がブロックチェーン立ち上げ

2022/06/10

「メタバース」という言葉の生みの親である米SF作家のニール・スティーブンソン氏が、オープンメタバースのためのブロックチェーン「Lamina1」を立ち上げた。ビットコイン財団の共同創業者であるPeter Vessenes氏と共同設立すると同氏が6月8日に発表した。

スティーブンソン氏は1992年、仮想空間の“メタヴァース”の概念を描いた小説「スノウ・クラッシュ」を発表。現在のメタバースはその小説の世界が起源になっており、「原典」として愛読するIT企業の最高経営責任者(CEO)も数多い。また同氏は、2014年から20年まで、AR企業のMagicのチーフフューチャリストを務めていた。


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新しく立ち上げられたLamina1では、VRやARの統合に焦点をあて、オープンメタバースを構築する。22年末にはテストネットとベータ版を立ち上げる予定で、小説「スノウ・クラッシュ」にインスパイアされた新しい没入型の環境構築を目指す。メタバースのクリエーターを支援するとともに、カーボンネガティブなものになる予定という。

会長にスティーブンソン氏、CEOにはVessenes氏が就任する。また、イーサリアムの共同創設者のJoseph Lubin氏やAR企業Magic Leapの元CEOのRony Abovitz氏などが投資している。スティーブンソン氏はLamina1の立ち上げの経緯を「『スノウ・クラッシュ』の発行30周年とメタバースを実際に構築することへの関心から、オリジナルのコンセプトに忠実な方法で行う方法について考えるようになった」を説明。「クリエーターに報酬を与えながら、オープンソース技術の基盤に根ざした創造的な発展を目指す。業界の最良かつ最新のアイデアを活用するため、さまざまな体験を提供する」とコメントしている。

Lamina1は9~12日に米テキサス州で開かれるWeb3.0と暗号資産のイベント「Consensus 2022」で披露される。