香港証券先物委員会、NFT投資のリスクに注意喚起

2022/06/09

香港取引所の監督当局である香港証券先物委員会(SFC)は6月6日、NFTへの投資に関するリスクについて、投資家へ注意喚起する声明を発表した。

SFCは「他の暗号資産と同様に、NFTは流動性の低い流通市場、ボラティリティー、不透明な価格設定、ハッキング、詐欺などのリスクの高まりにさらされている」と説明。「投資家はこれらのリスクを十分に理解し、潜在的な損失に耐えられない場合はNFTに投資するべきではない」と注意を促している。

SFCが懸念を示しているのは、証券先物取引法で定義されている「証券」に類似した、デジタルコレクティブと金融資産の境界をあいまいなNFTや、NFTを利用した集団投資スキーム(CIS)の存在。NFTがCISの持ち分である場合は、その販売や配布は規制対象活動に該当する可能性があり、香港もしくは香港の投資家を対象とする場合、SFCのライセンスが必要になると指摘している。一方、NFTの大半はデジタル画像やアートワーク、音楽、ビデオなどのデジタルコレクティブで、そうしたものは規制の範囲外という。

NFT投資のリスクについては、中国本土でも4月、中国インターネット金融協会、中国銀行業協会、中国証券業協会が共同で、NFT投資の「隠れたリスク」について警告する声明を発表。ブロックチェーン技術が「革新的なアプリケーションは経済を充実させ、文化や創造的な産業の発展を促進する潜在的な価値がある」と認める一方で、NFTの取引には過剰な投機やマネーロンダリング、違法行為などのリスクがあり、消費者の権利と利益を保護し業界の健全さを維持するために、中国銀行協会の会員機関はNFTを証券や保険、クレジットカード、貴金属などのような他の金融商品のような資産とみなすべきではないと述べている。