JR西日本がバーチャルマーケット出展 メタバースで大阪駅再現

JR西日本と、グループのJR西日本コミュニケーションズ、JR西日本イノベーションズは5月30日、8月13~28日に開かれる世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット2022 Summer」に出展すると発表した。メタバース上に大阪駅を再現した「バーチャル大阪駅」を展開する。

バーチャルマーケット2022 Summerの企業出展会場の一つである「パラリアル大阪」内に出展する。バーチャル大阪駅では、関西国際空港へのアクセス列車である特急列車「はるか」への乗車や、JR大阪駅内にある「時空の広場」でのステージライブの開催、駅ナカ店舗での商品の販売などを体験できる。駅の強みであるリアルの拠点性を生かし、オンラインとオフラインの融合やバーチャル空間などの接点を組み合わせ、駅を活用した新たな価値の提供に取り組むという。

バーチャルマーケット2022 SummerはVRサービスの開発ソリューションを手がけるHIKKYが開催。バーチャル大阪駅はHIKKYが提供するメタバース開発エンジン「Vket Cloud」で制作され、イベント参加者はVR機器を持っていなくても、スマートフォンやパソコンからも手軽にアクセスできる。

またHIKKYはJR東日本と提携し、3月に秋葉原駅とその周辺を再現したオリジナルバーチャル空間「Virtual Akiba World(VAW)」をオープン。ゴジラやエヴァンゲリオンなど、日本を代表するキャラクターらによる企画とコラボレーションしたバーチャル秋葉原駅「シン・秋葉原駅」などを提供している。

JR西日本グループでは大阪駅を、イノベーションの実験場「JR WEST LABO」の中心と位置づけ、さまざまなパートナーとの共創によるオープンイノベーションの加速を目指している。JR WEST LABOは大阪駅の地下駅と地上部での新駅ビルを共創フィールドとして、新しい価値創造の推進と、経営課題や社会課題を解決する最先端の技術を発信し、脱炭素社会の実現やSDGs(持続可能な開発目標)の達成への貢献を目的としているという。

3月には特例子会社のJR西日本あいウィルと、オープンイノベーションを推進するJR西日本イノベーションズが、オフィスビルでの地産地消野菜のアバター接客販売の実証実験の実施を発表。新たな購買体験の提供や、デジタル技術を活用して障がい者を含む多様な人材が活躍できるフィールドの整備拡大、地産地消の積極的推進を目指している。