今週のNFTトピック:日本の代表的なWeb3ファンドと投資先

今週のNFTトピックでは、NFTやブロックチェーンに関連する注目トピックを取り上げて解説する。今週は、日本のWeb3ファンドとその投資先について紹介する。
【目次】
- gumi Cryptos Capital:「OpenSea」や「1inch」に出資
- アカツキ「Emoote」:「STEPN」をはじめゲームや周辺領域に出資
- Skyland Ventures:日本のWeb3・NFT事業に投資
5月27日、ZOZO創業者の前澤友作氏がWeb3・メタバース領域に投資するファンド「MZ Web3ファンド」立ち上げを発表した。日本では5月12日にもアカツキがWeb3ファンドを発表しており、2022年は日本におけるWeb3領域への投資が広がる年になりそうだ。
世界的には、2021年のベンチャーキャピタルによる暗号資産・ブロックチェーン領域への投資は過去最大の4,100億円にも上ることがGalaxy Digitalの調査で分かっている。
この記事では、日本の代表的なWeb3ファンドとその投資先を紹介する。
1.gumi Cryptos Capital:「OpenSea」や「1inch」に出資
サンフランシスコと東京に本社を置くgumi Cryptos Capitalは、2018年からブロックチェーン・Web3領域に特化して投資を行っているファンドだ。株式会社gumiの創業者である國光 宏尚氏がジェネラルパートナーとして参画している。
1号ファンドでは、NFTマーケットプレイスの「OpenSea」や、分散型取引所の集約プロトコルである「1inch」、世界最大規模のブロックチェーンゲームギルド「Yield Guild Games」など36社に出資を行い、約24.6倍のリターンを得ている実績がある。
3月には、2号ファンド「gumi Cryptos Capital Fund II」にて130億円の資金調達を行ったとの発表があった。Web3領域に特化したシード・アーリーステージ企業を投資対象とするとのことだ。
公開されている投資先は41社。

DeFi(分散型金融)や決済、ブロックチェーンゲーム、ブロックチェーンプロトコル、クロスチェーンプラットフォーム、ウォレット等、Web3の様々な領域にわたっているのが特徴だ。代表的な投資先を取り上げて紹介する。
- OpenSea:世界最大のNFTマーケットプレイス。
- Astar Network:日本人が立ち上げたスマートコントラクトプロトコル。
- Yield Guild Games:世界最大規模のブロックチェーンゲームギルド。
- Celsius Networks:暗号資産担保のレンディングプラットフォーム。
- Delta Exchange:グローバルな暗号資産の現物・先物取引所。
- VEGA protocol:分散型の暗号資産先物取引所。
2.アカツキ「Emoote」:「STEPN」をはじめゲームや周辺領域に出資
5月12日に発表されたアカツキのEmooteは、2021年に設立された25億円規模のWeb3特化ファンドだ。既にグローバルのプロジェクト20以上に投資済で、地域の内訳はアジア 50%、US 40%、その他 10%である。
Emooteは、Emotionを大切にするWeb3特化ファンドとのことだ。プレスリリースでは、「Play to Earn」に代表されるトークンインセンティブ設計だけではなく、「好き」や「共感」といった「感情価値」を土台にしたNFT消費が、経済圏を健全に成長させるうえで重要になると述べられている。
コアメンバーには、共同創業者・代表取締役の熊谷 祐二氏、共同創業者・Web3リサーチャーのコムギ(comugi)氏、アドバイザーの藤本 真衣氏が名を連ねている。
公開されている15の投資先は、下記の通り。
- BreederDAO:ブロックチェーンゲームギルド向けに、NFTの繁殖やクラフトを最適化するプロジェクト。
- Cassava:アフリカのWeb3開発者やクリエイター、ユーザーを支援するアプリ・インフラ。
- CyBall:フットボールをテーマにしたPlay to Earnゲーム。
- DeHorizon:プレイヤーがゲームを作成したり遊んだりできるメタバースプラットフォーム。
- EthSign:イーサリアムを利用したデジタル署名アプリケーション。
- Ex Populus:Web3カードゲーム等を開発するのゲーム開発企業。
- Gametaverse:GameFiの情報・分析サイト。
- Highstreet:ブロックチェーンを利用したVRのMMORPG。
- Ignite Tournament:Play to Earnゲームのトーナメント開催やストリーミングをサポートするモバイルアプリ。
- Joyn:Web3メディアのための共創プラットフォーム。
- Lootex:ゲーマーのためのNFT取引プラットフォーム。
- reNFT:NFTのレンディングプラットフォーム。
- STEPN:歩いて稼ぐMove to Earnゲーム。
- Unix Gaming:ブロックチェーンゲームギルド。
- XY Finance:クロスチェーンのDeFiプラットフォーム。
Web3ゲームが中心となっているが、ゲームそのもののみではなく、ゲームを取り巻く様々なサービスに広く投資していることが分かる。
3.Skyland Ventures:日本のWeb3・NFT事業に投資
日本のベンチャーキャピタルであるSkyland Venturesは、4月にWeb3領域に特化したファンド「Skyland Ventures 4号投資事業有限責任組合 (SV4号ファンド)」の設立を発表した。Crypto・NFT・Blockchainの領域に総額50億円を出資する予定とのことだ。
Skyland Venturesは、2012年よりVR・AI・ライブ配信などインターネット分野の新しい事業領域への投資をシード中心に行ってきた。メタバースプラットフォームのクラスターや、 バーチャルYoutuberのマネジメント事務所であるANY COLOR、製造業を中心としたAI内製化支援のアイデミーをはじめ、日本のスタートアップに多く投資してきている。
同社の発表しているWeb3投資先(投資合意を含む)は以下画像の通り。「Cool Girl NFT」などNFTコレクションへの出資をしているのが特徴的だ。

ここまで日本の代表的なWeb3ファンドを見てきた。前澤氏の新しいWeb3ファンドは100億円規模とのことで、gumi Crypto Capitalに続いて大きなファンドとなる。世界のVCの暗号資産・ブロックチェーンへの投資額4,100億円から見ても小さくない額で、日本のWeb3事業にも影響を与えるのではないだろうか。
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