【NFT トレンディ】STEPNが火付け役「Move to Earn」ゲームとは?仕組みと主要ゲーム5選

NFT Weeklyでは、過去1週間のNFTに関するニュースの紹介と、注目トピックの解説を行う。今週は、スクエニがNFTゲーム開発など事業戦略発表、Robinhoodが仮想通貨ウォレット開発、コインチェックがArtBlocks取扱開始といったニュースがあった。
注目トピックでは、運動して稼ぐ「Move to Earn」ブームと主要なアプリについて解説する。
【目次】
- 今週の注目トピック:STEPNが火付け役「Move to Earn」ゲームとは?仕組みと主要ゲーム5選
なぜ運動するだけで稼げるのか?仕組みとリスク
どのようなゲームがあるのか?
STEPN
Genopets
Sweatcoin
Aglet
Step.App(FITFI)
「健康になる」「同時にいくつも遊べる」との声や、確定申告への不安も - 今週のNFTニュース
スクエニ、NFTゲーム開発や海外法人設立など事業戦略発表
Robinhoodが仮想通貨ウォレット取り扱いを発表
コインチェックがArtBlocks取扱開始
1.今週の注目トピック:STEPNが火付け役「Move to Earn」ゲームとは?仕組みと主要ゲーム5選
2022年は運動することで暗号資産(仮想通貨)やNFTを稼ぐ「Move to Earn」の年になるかもしれない。2021年12月にサービスを開始したMove to Earnゲーム「STEPN(ステップン)」はDAU20万人(4月1日時点)を超え、日本でも人気のゲームとなっている。
Move to Earnゲームは、スマートフォンで歩数やGPSの位置情報を取得し、運動量に応じた暗号資産やNFTを付与する。そのため、「歩いたり走ったりするだけでお金が稼げるアプリ」として注目を集めている。
従来も、歩くことでポイントを稼げるアプリはあったが、そのほとんどが1日に数十円程度の収入しか得られなかった。しかし、Move to Earnゲームでは、1日数千円を稼げることも珍しくない。
代表的なゲームには「STEPN」「Sweatcoin(スウェットコイン)」「Genopets(ジェノペット)」「Aglet(アグレット)」などがあり、また今後ゲームをリリース予定の「Step.App(ステップアップ:通貨名FITFI)」も話題となっている。
なぜ運動するだけで稼げるのか?仕組みとリスク
ただ運動するだけで1日数千円稼げるなんて、ありえないと感じる方もいるだろう。もちろんリスクもあるため、まずは仕組みを理解することが重要だ。
詳細な仕組みはゲームによって異なるが、共通しているのは「運動すると運営の発行するオリジナルの暗号資産やポイント、NFTが入手できる」ということだ。
歩いたり走ったりすることで、たとえばSTEPNだと「$GST(Green Satoshi Token)」、Sweatcoinであれば「$SWEAT(Sweatcoin」という、オリジナルの暗号資産を得ることができる。またGenopetsでは、NFTで取引できるペットを育てるための経験値を入手できる。
最終的には、入手した暗号資産や育成したNFTを市場で売却することで、日本円など現実でお金として使えるリアルマネーと交換することができる。これが、基本的な仕組みだ。
ただし入手した暗号資産やNFTを売却するためには、反対にドルや円などのリアルマネーを支払って暗号資産やNFTを購入してくれる取引の相手が必要だ。買いたい人が1人もいなければ、暗号資産やNFTの価値は0になってしまう。
なぜ、無料で得られる暗号資産/NFTを、わざわざお金を払って購入する人が存在するのだろうか?
まず考えられるのは、「趣味と捉えてお金を払う人」だ。ゲームや運動そのものを楽しんでおり、「多少の支出になっても、楽しく運動やゲームができて健康になれるのであればOK」と考える人は、手軽にゲームを楽しむために課金を厭わない。ゲームをスムーズ/有利に進めるため、無料で時間をかけてコツコツ貯める過程をスキップして、最初に暗号資産/NFTを購入するのだ。ゲームの価値が「稼げる」に留まらず、稼げなくともゲームそのものを楽しめる状態になっていると、こうした趣味目的の課金が増えるだろう。
次に、「稼ぐための投資としてお金を払う人」も存在する。たとえば、STEPNを新しく始めるためにはスニーカーNFTを購入する必要がある。スニーカーNFTは現在7万円程度で取引されており、稼ぐためにSTEPNを始めようとすると最低でも7万円程度の初期投資を行う必要がある。また、靴数を増やすことで1日に稼げる量が増えるため、追加投資として靴が購入されることもある。
さらに、こうした新規参入者や追加購入者に向けて靴を新しくミント(発行すること)し販売することで利益を得ている人もいる。靴のミントには独自通貨であるGSTを支払う必要があるため、ミントを行うためにGSTが購入されている。
要するに、「新しく始めたり追加投資をして稼ごうとする人」と「靴をミントすることで稼ごうとする人」がいるため、無料で貰えるGSTがリアルマネーで購入されるという仕組みだ。
最後に、「オリジナル暗号資産/NFTの値上がりや利回りに期待して投資する人」がいる。「STEPNの靴やGST、GenopetsのNFTなどは将来的に人気になって値段が上がるのではないか」と考えて購入する人がいることは想像に難くないだろう。
また、暗号資産をDeFi(ブロックチェーンを利用した分散型金融サービスのこと)で運用して利回りを得ようとする人も存在する。たとえば、「Solend(ソレンド)」というP2Pレンディングのサービスを利用してGSTを貸し出すと、5月21日現在年利1,000%以上の利回りを得ることができる。こうした高い利回りを得るために、GSTが購入されることもあるだろう。
まとめると、大きく①趣味で楽しむ②これから稼ごうとして投資する③値上がりや利回りに期待するといった3つの目的で、無料で貰える暗号資産やNFTが購入されている。
ただしまた、現在①のようにゲームそのものが楽しくて課金をする人はまだ少なく、②や③が通貨の価格に大きく影響を与えている状態だ。②や③はゲームを新規に始める人の数や暗号資産全体の相場に左右される。そのためタイミング次第では、投資額を回収しきれないリスクや稼いだ独自通貨の価値が0になってしまうリスクも存在する。
どのようなゲームがあるのか?
ここまで仕組みとリスクについて言及してきたが、無料で始められるゲームもあるためまずはトライしてみるのもいいだろう。主要なMove to Earnゲームを紹介する。
STEPN

2021年12月からサービスを開始したSTEPNは、ユーザーの約35%が日本人との調査もあり、現在日本で最も流行しているMove to Earnゲームだ。靴のスニーカーNFTを購入し、歩いたり走ったりすることで、GSTという独自通貨を稼いだり宝石NFTの入った宝箱を拾うことができる。
詳細:【NFT Weekly】歩いて稼ぐゲーム「STEPN」とは?
Genopets

Genopetsはペット育成ゲームとMove to Earnを組み合わせたようなゲームで、無料で始められる。2021年4月から開発が進められている、Move to Earnの先駆けである。
ユーザーは開始時に1匹のペットNFTを貰うことができ、歩数に応じてペットを育てるための経験値を入手し、最終的には育てたペットでバトルができるようになる。独自の暗号資産である「$GENE(Genopets)」はガバナンストークンとなっており、GENEを使ってステーキング(預けて利回りを得ること)やゲームの方針に関する投票を行える。
現在はβ版で遊ぶことができ、正式リリースは6月頃と見られている。また、Pantera CapitalやAlameda Researchといった大手の暗号資産ファンドに加えて、サッカー選手の本田圭佑氏も出資している。
参考:「Move to Earn」も登場! 加熱するNFTゲームの世界
Sweatcoin

Sweatcoinは、歩数に応じて「$SWEAT(Sweatcoin)」を稼ぐことができるアプリで、無料で始められる。1,000歩ごとに1SWEATを得られるほか、広告を見ることでもSWEATを入手できる。友人や家族と歩数を競う機能があり、仲間とわいわい楽しむことができるのが特徴だ。
現在、獲得したSWEATの使いみちは、ショップで様々なバウチャーと交換したり、開催されるオークションに入札するといったものとなっている。2022年夏にはSWEATが暗号資産取引所に上場する予定とされており、今後SWEATを直接リアルマネーに換金できるようになる可能性もある。
Aglet

AgletはポケモンGOのスニーカー版のようなゲームで、無料で始められる。ユーザーは地域のスポットに行くことでスニーカーの入ったボックスを拾える。また一定の歩数を歩くことでもスニーカーを入手できる。
アプリ内で得られるスニーカーの中にはアディダスのスニーカー等実在するものも多く、コレクションしたり棚に飾って楽しむことができる。5月に初めてNFTスニーカーの発売が行われ、今後はボックスで得られるスニーカーがNFTになるなど、NFT機能がいっそう強化されていく予定となっている。
Step.App(FITFI)

Step.Appは5~6月にβ版がリリースされる予定のゲームだ。STEPNと似た仕組みで、スニーカーNFTを持って歩くことで独自通貨「$FITFI」を稼ぐことができるようになる予定だ。現在、ゲームに先んじて独自通貨FITFIが販売されており、Bybit(バイビット)等の取引所で売買することができる。
「健康になる」「同時にいくつも遊べる」との声や、確定申告への不安も
こうしたMove to Earnゲームは、運動のモチベーションが維持しやすいという特徴がある。稼げることで「毎日歩かないと」という強制力が働くため、痩せた、健康になったという声も多く聞かれる。
さらに、いくつものアプリをスマホに入れて、一度の運動で複数アプリの通貨やNFTを入手する人もいる。普通のゲームであれば一度にひとつのゲームしかできないが、Move to Earnゲームではスマホでの歩数や位置情報を利用しており、アプリを常に開く必要がないものも多い。そのため同時に複数のゲームを楽しむことができるのだ。
一方で、こうしたゲームで獲得した暗号資産やNFTには当然ながら税金もかかる。日本ではまだゲームにおけるNFTや暗号資産についてルールが未整備の部分もあるため、確定申告に苦労する人も出ることが予想される。
健康のために運動をしながら暗号資産やNFTも稼げるMove to Earnゲーム。今後日本でもさらなる流行の拡大が予想され、税金に関わるルール整備も必須となってくるだろう。
2.今週のNFTニュース
スクエニ、NFTゲーム開発や海外法人設立など事業戦略発表
ゲーム大手のスクウェア・エニックス・ホールディングスは5月13日の決算説明会で、中期事業戦略を発表。ブロックチェーンゲームの開発や海外法人設立など、新規領域の施策を明かした。
スクエニはブロックチェーンエンタテインメント領域の推進施策として、2月に「ブロックチェーン・エンタテインメント事業部」を新設。また2021年10月から実証実験を行っていたNFTデジタルカード「資産性ミリオンアーサー」を3月に終了し、実績や手ごたえを踏まえてセカンドシーズンの制作を決定している。既存事業で培った開発や運営のノウハウを生かし、NFTビジネスにおける収益構造やNFT保有体験の可能性にチャレンジするという。
詳細:https://www.metaverse-style.com/game/6442
Robinhoodが仮想通貨ウォレット取り扱いを発表
5月17日、米投資アプリのRobinhood(ロビンフッド)が、暗号資産を取り扱うことのできるWeb3ウォレットを開発していると発表した。ウォレットは複数のブロックチェーンに対応予定で、顧客自身がパスフレーズである秘密鍵を管理するノンカストディアル型とのことだ。
Robinhoodでは現在ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、ライトコン(LTC)、ドージコイン(DOGE)、ビットコインキャッシュ(BCH)、シバイヌ(SHIB)の7種類の暗号資産を取引することができる。
コインチェックがArtBlocks取扱開始
暗号資産取引サービス「Coincheck」を運営するコインチェックは5月19日、提供するNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」で、ジェネレーティブアートNFT「Art Blocks」の取り扱い開始を発表した。また同日から、対象者に1万円相当分のETHをプレゼントする記念キャンペーンも行う。
ジェネレーティブアートとは、アルゴリズムや数学的手法などから生まれる偶然性を取り入れて作られるアート作品のことで、クリエーターやコレクターからも注目を集めている。
Art Blocksは、このジェネレ-ティブアートに焦点をあて、アートとブロックチェーンの技術が組み合わさったNFTでしか生まれ得ない作品を発行、販売するNFTプラットフォーム。NFTを購入すると、指定されたアルゴリズムに従ってランダムにデザインや色、背景が設定され、偶然性が生み出したオリジナルの作品が完成するという。
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