日本円ステーブルコインJPYC、累計発行額が10億円突破

日本円連動ステーブルコインJPYCを発行、運営するJPYCは5月11日、JPYCの累計発行額が10億円を突破したと発表した。2021年1月27日に発行を開始して、約1年カ月での達成という。

JPYCは日本で初めての、ブロックチェーン技術を活用したプリペイド式の日本円ステーブルコイン。ステーブルコインとは、日本円やアメリカドルなどの法定通貨と値動きが連動するブロックチェーン上の通貨のことで、ビットコインやEthereum(イーサリアム)といった暗号資産よりも値動きの幅が非常に小さいことが特徴。JPYC はEthereum、Polygon(ポリゴン)、Gnosis(グノーシス)、Shiden Network(紫電ネットワーク)、Astar Network(アスターネットワーク)、Avalanche(アバランチ)に対応している。同社によると、NFTなどの取引の際の手数料が安価ながらも、国内の暗号資産業者では取り扱いの少ないPolygonの入手に、JPYCを発行するケースが多いという。

JPYCの発行は、オンラインで手続きし銀行振り込みすると、指定された暗号資産ウォレットに同額のJPYCが送金される。VISA加盟店やキャッシュレス決済「PayPay」などで使えるプリペイドギフト「Vプリカギフト」などと交換しての利用も可能で、今後は対応ネットワークの拡張を目指すという。

【関連記事】
松屋銀座も導入、日本円ステーブルコイン「JPYC」の魅力と展望 岡部典孝CEOに聞く

JPYCは21年末、大手百貨店の松屋銀座店が支払い方法の一つとして対応し、注目を集めた。1月には、提携クレジットカード発行支援を手がけるナッジの運営するクレジットカード「Nudge」とも連携。また同月には、米IT大手Microsoft(マイクロソフト)が提供するグローバルのスタートアップ支援プログラム「Microsoft for Startups」に採択されている。

ステーブルコイン関連では、三菱UFJ信託銀行が23年春にも、デジタル証券向けに即時決済できるステーブルコイン「プログマコイン」を発行すると報じられている。不動産などを小口売買できるデジタル証券の普及へ、決済のスピードも速めることで利便性を高めるという。