イマクリエイトと神戸学院大、薬学生向けバーチャルトレーニング開発

VRやARシステムなど開発や運用を手掛けるイマクリエイトは5月10日、神戸学院大学と共同で、薬学生向けのバーチャルトレーニングを開発したと発表した。薬局を想定し、実際の患者と会話するように声に出して学ぶことができるという。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、薬学生たちの患者とのコミュニケーション実習にも制限が起きている。そういした現状の解決のために開発したという。トレーニング内容は「初回インタビュー」と「薬の情報提供」の2種類で、症状や服用中の薬、生活習慣のヒアリングなど、患者が薬局を訪れてから薬を受け取るまでの一連のコミュニケーションを、実際に会話をするように声に出しながら学ぶ。

トレーニング中の自分の声は録音が可能。最後には回答例とあわせて、自分が患者に対してどのように会話をしていたのかを振り返ることができる。

イマクリエイトは2月にも、東京大学と共同で、医学部生向けのバーチャルトレーニングを開発している。皮下注射や静脈採血、末梢静脈カテーテル挿入の3つの穿刺(針を刺すこと)手技を、実際に行っているかのように学べるプログラムで、薬学生向けと同じく患者への声掛けなどのコミュニケーションも練習することができる。
2021年末には弘前大学と共同で、同社の運営するVRプラットフォーム「ナップ」を使用し、放射性物質による汚染確認のやり方をバーチャルでトレーニングできるツール「ナップ:RIサーベイ」も開発いる。

医学分野では、コロナ感染症の拡大に伴い、臨床現場でのオンライン診療などが拡がっている。日本IBMと順天堂大学は4月、産学連携の「メディカル・メタバース共同研究講座」の設置を発表。メタバース技術の活用で、時間と距離を超えた新たな医療サービスの研究や開発に取り組むという。またデジタルヘルスケア事業を手掛けるcomatsunaは2月から、メタバースを利用して医師によるお悩み相談や座談会などを開催するサービス「メタバースクリニック」を提供ている