富士急行ハイランドをメタバースで、集英社と協働

東証プライム上場の私鉄、富士急行は4月22日、大手出版社の集英社とパートナーシップ締結に向けて協議を始めたと発表した。集英社が進めるVRやARなどのXR事業で、郊外型レジャー領域での協働を目指す。

山梨県富士吉田市を拠点にする富士急行は鉄道事業のほか、富士山周辺エリアでレジャー施設「富士急ハイランド」やアウトドアリゾート「PICA」などを展開している。集英社はXRやメタバース上での版権の独自の運用管理を行っており、同分野の知見がある。協働し、レジャー施設事業にXR分野の最新技術を掛け合わせることで、メタバースでつながる世界中の人へ「XRレジャー体験」を提供するという。

集英社は2021年、XR事業開発課を新設し、XR事業 「集英社XR」を立ち上げ。XRソリューションを手がけるティーアンドエスや、AR技術を活用した人気スマートフォンアプリ「ポケモンGO」などを手がける米Niantic, Inc.と提携し、社内のメディア全般のXR化や、XRを軸とした新たなパートナーシップによるビジネスモデル構築などを推進している。

鉄道事業者では、JR東日本が3月、秋葉原駅とその周辺を再現したオリジナルバーチャル空間「Virtual Akiba World(VAW)」をオープン。メタバースに関連する事業を手がけるHIKKYと提携し、JRならではの忠実に再現された駅空間で、改札を通過したり電車に乗ったりと秋葉原駅周辺を散策ができる。ゴジラやエヴァンゲリオンなど、日本を代表するキャラクターらによる企画とコラボレーションしたバーチャルの秋葉原駅「シン・秋葉原駅」も展開している。また、JR大宮駅の改札に縦長モニターを設置し、駅員のアバターによる遠隔接客の実証実験を21年3月から約1年間行っている。

レジャー関連では、香港唯一のオリジナルテーマパークOcean Parkが2月、香港のブロックチェーン企業Animoca Brands(アニモカブランズ)傘下のNFTゲーム「The Sandbox」と提携し、NFTとメタバースを活用した、新しいデジタルエンターテインメントを目指すと発表。22年に45周年を迎えるにあたり、サービスの刷新へ、メタバースでユーザーとの関わり方やつながり方を再構築し、The Sandbox上でOcean Park のコンテンツや商品を展開するという。