「メタバースは交流の中心に」Agoraが市場調査結果を発表

データセキュリティー会社のAgoraは4月5日、メタバースの将来に関する市場心理について調査、概要を発表した。回答者の約3割が「データのプライバシーとセキュリティーに対する疑念を生じさせる」と述べていることなどがわかった。

Agoraはメタバース関連企業のHTC VIVEやUnity Technologies、ヒューレットパッカード(HP)などと提携。調査では、300人のソフトウエア開発者を対象に、メタバースが解決しなければならない課題や最も利益が見込まれるジャンル、今後の社会的相互作用についてなどを調べた。

調査結果では、回答者の33%が、メタバースではデータのプライバシーや安全性に懸念があると答えている。相互運用性や、偽情報とヘイトスピーチ、ソフトウエア開発者が使用するツールの問題なども挙げられた。メタバースが利益を生み出すと想定される分野は、「ゲーム」「エンターテインメント」がトップで26%を占め、「通信」「小売業・電子商取引」「医療」と続いた。

メタバースが現実の社会的交流に取って代わる可能性については、回答者の半数以上が「高い」と返答。「低い」は30%で、15%が「中立」と回答した。Agoraの創設者で最高経営責任者(CEO)であるTony Zhao氏は、対面での交流はすでに減少しており「XR技術の進歩が社会体験をさらに良く、望ましいものにしている」とコメント。メタバースは将来、人間の交流の中心になる可能性が非常に高いとの考えを表明した。

メタバースで最大のシェアを握るのはどの企業か、という質問には、過半数がMetaのプラットフォームと回答。一方で、約25%が「単一の企業が支配することはない」と答えている。

また、メタバースの開発と収益化を促進するデジタル経済については、53%が「NFTが最大の通貨形態になる」と予想。57%が「暗号資産の売買や保管、取引のためにメタバースを活用する」と回答した。暗号資産とブロックチェーンの進歩がプラットフォームの成功に不可欠であることには70%が同意を示した。