HIKKYがドコモのメタバース「XR World」参画

VRサービスの開発ソリューションを提供するHIKKYは、NTTドコモが3月31日から提供するマルチデバイス型メタバース「XR World(エックスアールワールド)」に企画・制作・開発パートナーとして参画すると発表した。HIKKYの手がけるメタバース開発エンジン「Vket Cloud(ブイケットクラウド)」を活用し、専用のアプリやヘッドマウントディスプレーがなくても気軽にメタバースを体感できるという。

XR Worldは、バーチャル空間でアバターを通し、ユーザーが相互にコミュニケーションを取れるサービス。まずは音楽コンテンツから配信を開始し、アニメやダンスなどのエンタメ分野や、スポーツや教育、観光といった幅広いジャンルのコンテンツを提供する。

XR World の開発に使用したVket Cloudは、制作したメタバースコンテンツにスマートフォンやパソコンから直接アクセスでき、マルチプレーにも対応。ボイスチャットやテキストチャットで同空間内にいる他のユーザーとのコミュニケーションも楽しめる。コンテンツは一部を除き無料で利用可能とのこと。2023年以降には海外向けにもXR Worldを展開する予定。

HIKKYはドコモと21年10月に業務提携しており、同11月にはドコモを引受先とした第三者割当増資により65億円を調達している。「リアルとバーチャルの融合」を図るプロジェクトも複数、連携して手がけており、HIKKY がJR東日本と共同で25日から提供している秋葉原駅をメタバースで再現する「Virtual AKIBA World(VAW)」では、バーチャル空間での広告表現などでドコモも参加している。

今後はXR Worldと、さまざまな企業が提供するメタバースをつなぎ、ユーザーが多様な仮想空間をシームレスに行き来できることを目指すという。

2018年に設立したHIKKYは、世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」を主催。20年には国際的なVR表彰式「VR AWARDS」のマーケティング部門で最優秀賞、国内の「XR CREATIVE AWARD 2020」で最優秀賞を受賞している。