凸版印刷、新入社員研修にメタバース活用

凸版印刷は3月30日、2022年度の新入社員研修を3年連続で完全オンラインで実施すると発表した。これまでに行ってきたオンライン研修での取り組みに加え、同社が提供するスマートフォンアプリ「メタパ」をカスタマイズし、メタバース上で新入社員同士の交流を促進できる場を用意するという。

メタパは仮想空間上に構築した複数の店舗をショッピングモールのように1つに集約した、バーチャルショッピングモールアプリ。新人研修ではコミュニケーション用途にカスタマイズし、メタバース上で会話する相手を自由に選んでリアルの場での会話のように物理的距離感を体感しながらコミュニケーションをとることができるという。新入社員同士だけでなく、先輩社員とのコミュニケーションの場としても活用し、新型コロナウイルス禍での入社での不安を払拭するサポート体制を整備する。

研修は従来実施してきた動画による講義のほかに、日本の伝統文化と企業理念の重要性をテーマにした「文化教養VR研修」や、スマートフォンを使って専用コンテンツを360度で体験できる紙製ヘッドマウントディスプレー「VRscope」を使用した「危険体感VR」「福島県の被災地視察VR」などの映像研修プログラムも行う。また、18年度から導入した独自開発のコンディション維持・管理スマートフォンアプリ「みんなのコンディション」のノウハウを、21年6月からサービス開始した健康増進やモチベーションケアを福利厚生に生かすアプリ「たまると」に活用。コンディションの自己管理機能やグループで競い合うゲーミフィケーションの要素に、新たにポイント付与やインセンティブとの交換機能がを追加し、社員の良好なコンディションの維持などへのモチベーションやコミュニケーションの活性化を目指すという。

凸版印刷はメタバース関連事業に注力しており、4月からは仮想空間で商談などのビジネスコミュニケーションができるメタバースサービス基盤「MiraVerse」を提供予定。メタバース上で使用されるアバターの本人証明ができ、著名人の画像上の顔を書き替えて、誤った情報を拡散させたり名誉を棄損したりする「ディープフェイク犯罪」リスクの防止も期待される管理基盤「AVATECT(アバテクト)」も提供している。