「ガンダムメタバース」構想が始動 ガンプラ対決も

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バンダイナムコグループは3月29日、人気コンテンツ「機動戦士ガンダム」でファンとつながるための新しい仕組み「ガンダムメタバースプロジェクト」を発表した。ガンダムの世界観になぞらえて、仮想空間という広大な宇宙にあるスペースコロニーをバーチャルコロニーとして表現、それらをつなぐことで一つのガンダムメタバース宙域「SIDE-G」を構築するという。

バンダイナムコグループの横断プロジェクト「ガンダムプロジェクト」が同日開催した「第3回ガンダムカンファレンス」で発表した。新たにワールドワイド戦略軸や作品軸、ガンダムを通じて社会問題を考えるサステナブルプロジェクト「GUNDAM UNIVERSAL CENTURY DEVELOPMENT ACTION (GUDA)」軸のプロジェクト開始も報告した。

バンダイナムコグループは2022年4月からの新中期計画で、世界中のファンやパートナー、社会などとの深いつながりを目指す「Connect with Fans」ビジョンをかかげている。その重点戦略の一つがIP軸戦略で、IPごとにメタバース構築を計画。第1弾がガンダムメタバースとなる。

段階的にメタバースの基盤を設定し、カテゴリーごとにバーチャルコミュニティーを作って、グループの共通アカウント「バンダイナムコID」で連結させるという。まずは玩具「ガンプラ」に関わるさまざまな体験を提供する仮想空間「ガンプラコロニー」を構築。21年にテスト運用を行った「ガンダムベースヴァーチャルワールド」を「ガンダムベースガンプラコロニー店」として正式サービスインし、22年秋に期間限定テストオープンを予定している。また、マイルーム機能を実装しガンプラの作品を通したコミュニティーを形成。ガンプラをスキャンして戦うことができる「ガンプラバトル」や「ガンプラコンテスト」の開催、ガンプラオンライン講座などを充実させ「ガンプラコロニー」の完成を目指す。

23年の完成に向け建設中の「esportsコロニー」は、ゲームがテーマになる。eスポーツに特化したガンダム初のFPSゲーム「GUNDAM EVOLUTION」を22年に正式稼働予定で、4月8日よりPC版のネットワークテストを日米同時に実施。6vs6のオンラインマルチプレイ「機動戦士ガンダム バトルオペレーション2」とあわせて、国内海外に展開するゲームコミュニティーを目指す。また、IPが保全されるメタバースの特性を生かし、将来的にはグループ以外企業の参入促進や、一般ユーザーによるデジタルユーザー生成コンテンツも導入する計画もあるとのこと。

ガンダムシリーズは今後、テレビアニメーション最新作「機動戦士ガンダム 水星の魔女」が10月から放送開始予定で、ティザービジュアルやPVを公表。放送に先駆け、アニメ本編の前日譚にあたる映画「PROLOGUE」が夏に公開予定であることも発表された。
GUDAでは、21年6月に始まったガンダムと未来技術を掛け合わせて人類の革新的社会実現を目指すプログラム「ガンダムオープンイノベーション」で、と公募していた構想技術やアイデアを採択された研究機関や企業など6グループが発表。採択された各グループにはガンダム公認として素材や資料を使ったオフィシャルな活動が許可されるほか、コンセプト実装やイベントの場が提供されるとのこと。一部の企画の成果は、25年開催の国際博覧会(大阪・関西万博)のバンダイナムコグループ「ガンダムパビリオン(仮称)」で発表予定だという。

バンダイナムコグループは2月に発表した22年から24年までの中期計画で、メタバース開発やデータユニバース構想に150億円を投資する意向を明かしている