ウクライナ政府、支援金募るNFTミュージアムを設立

ウクライナ政府は3月25日、ロシアによるウクライナ侵攻の出来事をまとめたNFTミュージアム「META HISTORY MUSEUM OF WAR」の開設を発表した。軍や民間人への援助金を募る目的という。

ウクライナの副首相兼デジタル改革担当相のMykhailo Fedorov氏がTwitter上で明らかにした。展示されている作品は、2月24日のロシアの軍事侵攻開始からの経過を、ウクライナ内外のデジタルアーティストらによる個人的な考察を添えて時系列で紹介。Fedorov氏は、NFTミュージアムについて、「戦争の記憶を残す場所」「ウクライナのアイデンティティーと自由を祝う場所」だと述べている。

META HISTORY MUSEUM OF WARで展示されている作品は日本時間の30日午前0時から、1作品0.15ETH(約6万1000円)で販売。作品はすべて販売対象だが、購入するまでどんな内容のものなのかは確認することができなくなっており、META HISTORY MUSEUM OF WARは「META HISTORYを買うことで真実が明らかになる」とコメントしている。

ウクライナ政府は2月末、暗号資産などでの寄付の受け付けを表明しており、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ポルカドット(DOT)のアドレスを公開。主にイーサリアムやビットコインなどで受け取っているが、NFTでの寄付もあるという。人気NFTプロジェクト「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」は3月9日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、1億円相当のイーサリアムをウクライナ政府の公式ウォレットに寄付したと発表。F1レーサーのピエトロ・フィッティパルディ氏とエンツォ・フィッティパルディ氏の兄弟は、ウクライナの難民支援のため初のNFTシリーズを提供している。

ブロックチェーン分析企業Ellipticによると、3月上旬時点でウクライナ政府やNGOを支援するために暗号資産やNFTによって寄付された金額は約64億円にのぼるという。デジタル改革担当副大臣のAlex Bornyakov氏はTwitterで、寄付された多額の仮想通貨により、多くの軍事物資や食料を購入することができたと感謝を明かしている。


ウクライナ政府は、暗号資産で寄付を行った人にトークンの無料配布を予定していたが、トークン目的の極少額の寄付が殺到したために中止。NFTの販売へと計画を変更していた。