アクセンチュア「テクノロジービジョン2022」発表 メタバースの遍在化を予想

コンサルティング大手のアクセンチュアは3月25日、世界のテクノロジートレンドに関する最新の調査レポート「Accenture Technology Vision 2022(テクノロジービジョン2022)」を発表。デジタル化が進んだ社会や生活、ビジネスモデルの至るところにメタバースが遍在化することで、ビジネスや組織運営のあり方、顧客とのつながり方が再創造されつつあると述べた。

レポートは、有識者で構成される「テクノロジービジョン外部諮問委員会」から知見を収集したほか、日本を含む35カ国、23の業種にわたる4,600人以上の企業経営層やIT担当幹部などから調査。「メタバースで会いましょう – ビジネスを再創造するテクノロジーと体験の融合」と題し、拡張現実やブロックチェーンなどの技術によって人々の体験のあり方が変わる中、企業は従来の事業計画とは異なる未来へ向けた競争をスタートしていることを紹介した。

メタバースの黎明期である現段階では、調査対象者の71%が「メタバースは自社にポジティブなインパクトをもたらす」と回答、42%が「メタバースは画期的もしくは革新的なものになる」と回答した。

こうしたビジネス環境下で、企業が押さえるべきのテクノロジートレンドを4つ定義。

メタバースは、今後歩いて部屋を移動することと同じくらい簡単にある場所から別の場所への移動を可能とする、一貫性のある三次元空間となるという「WebMe ――メタバースの中の『私』」、5Gや拡張現実といった新興テクノロジーが進化するごとに、デジタル環境は現実世界と混ざっていくなかで、人々が世の中とつながる方法や内容が変わるだけでなく、人々の感覚や交流方法、およびそれらをコントロールする方法が一新されるという「プログラム可能な世界 ――世の中をパーソナライズする」、AIが生成する現実世界を反映したデータの利活用を行うことで、より一層実在しないアンリアルな世界が現実となりつつある「アンリアル ――本物の世界を人工的に作る」、量子コンピューティングや生物学に基づくコンピューティングなどの手法によって、従来は費用や効率性が見合わなかった困難な課題を企業が解決できるようになる「不可能を可能にするコンピューティング ――新たなマシンが可能性を切り開く」と提示した。