米著名シェフがNFTコレクション、コロナ禍で収益代替

2022/03/25

米著名セレブシェフのTom Colicchio氏とSpike Mendelsohn氏は3月25日、イーサリアムNFTコレクション「CHFTY Pizzas」を立ち上げた。料理クリエーターとそのファンを中心としたWeb3.0コミュニティーの構築を目指すという。米メディアDecryptが報じた。

新型コロナウイルスの感染拡大によりレストラン業界は深刻な影響を受け、米国内では推定11万軒のレストランが閉店した。「We, The Pizza」や「PLNT Burger」などのレストランを経営し、ケーブルテレビ「Bravo」の長寿番組「Top Chef」の出場経験もあるMendelsohn氏は、収益が落ち込む中、代替サービスを模索。宅配サービスに頼らざるを得ないことは「とても取り残された感じがした」といい、顧客やファンとつながるために、テクノロジーを取り入れたさまざまな方法を検討したという。

「Top Chef」の審査員長兼エグゼクティブプロデューサーで、レストラン「Craft」などを経営するColicchio氏も同様の状態だった。空いた時間に目にした金融メディアでのNFTについての非肯定的な報道に「誰かが何かを揶揄する場合、それはある意味で脅威であり、新しいものだ。これは見る価値がある」と感じたという。

両氏はNFTに、シェフというアーティストが料理という媒体で創作するという類似性を見出し、シェフが独自のデジタルコンテンツをリリースすることを発想。共感するシェフを増やす可能性を高めるべく、CHFTY Pizzasのプロジェクトと立ち上げた。

CHFTY PizzasはイーサリアムのNFTコレクションで、 2777枚のプロフィル写真で構成。それぞれの作品には擬人化されたピザのスライスが描かれており、ランダムに変化するという。価格はそれぞれ0.07ETH(約210ドル<約2万6000円>)。各NFTはコミュニティーへのアクセスパスとしても機能も持つ。

また、シェフによる料理のストリーミング授業や、ライブイベントへの招待なども予定。NFT所有者の投票によって選ばれたシェフによるポップアップ・ピザ・レストランの展開も行うという。売り上げの一部は、食品に特化した分散型自律組織(DAO)へ寄付される。