人気NFT「BAYC」 のYuga Labsが約545億円調達、メタバース計画も

2022/03/24
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人気NFTプロジェクト「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」などを展開するYug aLabsは3月22日、4億5000万ドル(約545億円)を資金調達したと発表した。企業評価額は40億ドル(約4847億円)。調達した資金はチームの規模拡大や、クリエーティブやエンジニアなどの人材獲得、ジョイントベンチャーなどのために活用するという。

Yuga Labsはこれまで資金調達を行ってこなかったが、ベンチャーキャピタル(VC)などからの関心を集めていた。今回の資金調達には香港のブロックチェーン企業Animoca Brands(アニモカブランズ)や傘下のNFTゲーム「The Sandbox」The Sandbox、投資銀行のLionTree 、VCのSound Venturesなどが参加。またBAYC とコラボレーション経験のある米スポーツメーカー大手のadidasも参加していたという。

Yuga Labsはメタバースのプロジェクト「Otherside」の計画も公表。最高経営責任者(CEO)のNicole Muniz氏は「BAYCなどのIPで新しい経済が可能だ。ブロックチェーンが文化に与える影響の可能性は無限で、相互に運用可能な世界を構築する」と述べている。

BAYCは「Bored Ape(退屈した猿)」をモチーフとした全1万点のNFTコレクションで、2021年4月から販売。21年9月にはオークションハウス大手サザビーズで、101点のNFTコレクションが2440万ドル(約26億8000万円)で落札されるなど、最も人気のあるNFTプロジェクトの一つといわれており、米スポーツメーカー大手のadidasなど大手企業とのコラボレーションも数多い。9日には、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、1億円相当のイーサリアムをウクライナ政府の公式ウォレットに寄付したと発表している。

Yuga Labsは資金調達に参加したAnimoca Brandsと21年末、提携してNTFブロックチェーンゲームを共同制作すると発表している。ゲームは、プレーすると実際に使える資産を獲得できる「Play-to-Earn(遊んで稼ぐ)」形式で、22年の4~6月ごろに配信開始される予定という。また3月には、2月にシリーズ最高額の8000ETH(約27億円)で落札された人気NFT「CryptoPunks(クリプトパンク)」や「Meebits(ミービッツ)」のNFTコレクションの権利をクリエーターのLarva Labsから取得している。