東大発のWOGO、スマホで3D編集が可能なアプリ「WIDAR」リリース

3D技術の開発や提供を手がけるWOGOは、3月22日、スマートフォンで3Dスキャンや 3D編集ができるアプリ「WIDAR」を正式リリースした。また同日、1.1億円を資金調達したことも発表。資金を元に編集ツールの追加リリースを継続的に行うことで3Dコンテンツ作成のハードルを下げ、よりたくさんのコンテンツがメタバースに供給されることを目指すという。

WIDARはiOS版とAndroid版で提供。世界初となる「3D編集機能」を搭載し、形状変形やペイント、CGエフェクトの付加のような、複雑な処理が実装しやすくなっているという。複数データ配置機能や背景変更機能、動画像出力機能を備えるほか、自身の作品を投稿できるコミュニティー画面を用意し、3Dデータが共有、再利用されていく土台を用意。ゼロから形状を構築する作業が、3Dスキャンと編集の組み合わせによって10分程度に短縮され、誰でも3Dモデルの生成が手軽に行うことが可能とのこと。

WOGOは2021年1月、東京大学大学院情報理工学系研究科所属のメンバーを中心に設立。21年にアプリのベータ版をリリースし、3Dスキャンをスマホに実装している。

メタバース市場は従来、ゲーム分野が中心となっていたが、ファッションや教育などでの活用も広がっている。既存の3D制作ツールは専門家向けのものが多く、一般ユーザーにとってはハードルが高い面もあったが、モバイルデバイスの高性能化や、20年3月にAppleがiPhoneに3Dセンサーを搭載するなど、個人がスマホで手軽に3Dコンテンツを作成できる下地は整いつつある。WOGOは、調達した資金で3D編集ツールの拡充し、多様な3D作品を誰でも手軽に作成できることを目指す。また、コミュニティー機能を充実化させ、蓄積された3Dデータがさらに新しく素材として活用されるようなコラボ制作も目指すという。

創出された3Dデータはメタバースに多くのコンテンツの供給を実現するため、データの外部接続APIの開発、提供も予定している。