英HSBCが「The Sandbox」と提携、ゲームファンらとのつながり深化へ

英金融大手HSBCが香港のブロックチェーン企業Animoca Brand傘下のNFTゲーム「The Sandbox」と提携をすることが3月16日、わかった。HSBCはThe Sandbox内の土地「LAND」を取得し、スポーツやゲームファンとのつながりを深めるために活用する予定。具体的な内容については今後発表するという。

The Sandboxは、ユーザーがLAND 上で独自の世界を作り、収益化もできるメタバースゲーム。著名ラッパーのスヌープ・ドッグとのコラボレーションや米スポーツメーカー大手adidasのファッションブランド「adidas Originals」によるLANDの確保などのケースもある。また2021年11月には、ソフトバンクグループから約100億円を調達している。

HSBCのアジア太平洋地域チーフ・マーケティング・オフィサー、Suresh Balaji氏は、提携に「The Sandboxを通じて新しい体験を生み出し、現在や将来の顧客と、私たちがサービスを提供する地域社会へ、機会の扉を開く大きな可能性を見出している」とコメント。The Sandboxの最高執行責任者(COO)兼共同設立者であるSebastien Borget氏は「HSBCのような信頼できる大企業がThe Sandboxのオープンメタバースに参加し、エンターテインメントやゲーム、ユーザー生成コンテンツを通じてユーザーとつながり、Web3.0の文化を取り入れることをうれしく思う。この提携が、Web3.0やメタバースでのブランド構築を推進する企業が増えるきっかけになると信じている」と述べている。

Animoca Brandsは2月中旬、日本に戦略的子会社Animoca Brands KKを設立。同社は三菱UFJ銀行とNFT事業で協業し、NFTの発行・出品などの支援や、売買時の本人確認や資産の安全な保管サービスの提供、取引市場の運営などの事業を検討しているといい、年内にもサービス提供を予定している。また2月16日には、米銀行大手のJ.P.MorganがVRプラットフォーム「Decentraland」にラウンジを開設している。

The Sandboxでは、世界的なコンサルティンググループのプライスウォーターハウスクーパース(PwC)の香港拠点であるPwC Hong Kongが21年12月にLANDを購入。コンサル企業による LAND の購入は初の事例という。