人気NFT「Bored Ape Yacht Club」がウクライナ支援 1億円相当のイーサリアム寄付

2022/03/10

人気NFTプロジェクト「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」は3月9日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、1億円相当のイーサリアムをウクライナ政府の公式ウォレットに寄付したと発表した。ウクライナ政府は2月末、暗号資産などでの寄付の受け付けを表明しており、公式のウォレットを開設。主にイーサリアムやビットコインなどで受け取っているが、NFTでの寄付もあるという。

BAYCは「Bored Ape(退屈した猿)」をモチーフとした全1万点のNFTコレクションで、2021年4月から販売している。21年9月にはオークションハウス大手サザビーズで、101点のNFTコレクションが2440万ドル(約26億8000万円)で落札されるなど、最も人気のあるNFTプロジェクトの一つといわれており、米スポーツメーカー大手のadidasなどともコラボレーションしている。

BAYCは公式ツイッターで、同プロジェクト関連のNFT保有者たちから総額1億円分のイーサリアムがウクライナへ寄付されたと明かした。そうしたBAYCコミュニティーのウクライナへの支援に共感し、同額のイーサリアムを寄付することにしたという。

ウクライナ政府は暗号資産での寄付先として、ビットコイン、イーサリアム、ポルカドットのアドレスを公開。ブロックチェーン分析企業Ellipticによると、ウクライナ政府やNGOを支援するために暗号資産やNFTによって寄付された金額は約64億円にのぼるという。人気NFT「CryptoPunks(クリプトパンク)」の約2300万円相当のNFTがウクライナ政府のイーサリアムアカウントに送られるなど、NFTでの寄付もみられるとのこと。また2月末には、売り上げとロイヤリティー収入の全額をウクライナの平和のために寄付するNFTプロジェクト「RELI3F」も立ち上げられ、賛同する36人のNFTアーティストらによる37種のNFTが、大手NFTマーケットプレイスOpenSeaで販売されている。

ウクライナ政府は寄付をしてくれた人々へトークンの無料配布を予定していたが中止。代わりに、ウクライナ軍を支援するためNFTの販売の発表を予定しているという。ウクライナ政府の他にも、民間組織の「ウクライナDAO」などが、寄付金を集っている。