Meta、黒人差別への抗議の歴史や活動家への敬意などをメタバースで展開

2022/02/28

旧Facebookの米Metaは2月末から、黒人歴史月間を記念して、バーチャルリアリティーにおけるブラックカルチャーとコミュニティーを探求する黒人クリエーターらとのワークショップコラボレーション「Metaverse Culture Series」を開始。メタバースサービス「Horizon Worlds」で、黒人の人権活動に功績を残したマーティン・ルーサー・キング牧師やローザ・パークスなどに敬意を表した作品「I Am A Man」が展示されている。

Metaverse Culture Seriesでは全米の黒人思想家やクリエーターを招いて、黒人の文化や遺産、創造性をメタバースの中で探求し、差別への抗議活動を文化的に解釈して展開する。黒人差別の撤廃を訴える、国際的な抗議行動「Black Lives Matter」の知られざるヒーローたちの紹介や、米航空宇宙局(NASA)のビクター・グローバー宇宙飛行士による国際宇宙ステーションのツアーなどのVRコンテンツが視聴できるほか、米アカデミー賞を受賞した最初のアフリカ系アメリカ人の映画監督ロジャー・ロス・ウィリアムズによるVR映画「Traveling While Black」では、アフリカ系アメリカ人の移動制限の歴史や、安全なコミュニティー創造について模索している。

「I Am A Man」は、Metaverse Culture Seriesのアーティスト兼VRクリエーターGabe Gault氏が制作。1960年代のメンフィスの夕日に照らされた風景の上に、キング博士のレンダリングが大きく浮かび上がり、「I Am A Man」のサインを持ったアバターたちが、再現されたレトロな街並みやキング牧師が最期を迎えたロレイン・モーテルなどの中を散策できる。I Am A Manは米国とカナダに住む18歳以上に向けに提供している。

Metaverse Culture Seriesは1年にわたり展開予定。3月は国連の制定した国際女性デーにちなみ、VRの道を切り開く女性たちとコラボする。またラマダンやアースデイ、LGBTQに関するコンテンツを発表するという。