【NFT Weekly】Rakuten NFTの特徴とは?/ウクライナにビットコインやNFT寄付相次ぐ/SalesforceのNFT構想に社員反発

NFT Weeklyでは、今週の注目トピックの解説と、過去1週間のNFTに関するニュースを紹介する。今週の注目トピックはRakuten NFTだ。OpenSeaなどの海外発NFTプラットフォームとの違いを解説する。過去1週間のニュースは「ウクライナにビットコイン寄付4.6億円、NFTでの寄付プロジェクトも立ち上げ、SalesforceのNFT構想に社員反発、といったものがあった。
注目トピックでは、25日にリリースしたNFTマーケットプレイス「Rakuten NFT」の特徴を解説する。
【目次】
- 今週の注目トピック:25日にサービス開始したRakuten NFTとは?
OpenSeaとはどう違う?Rakuten NFTの特徴
第一弾のNFTは即日完売、ウルトラマンは10倍の価格で取引 - 今週のNFTニュース
ウクライナ支援にビットコインの寄付4億円、NFTの寄付プロジェクトも立ち上げ
「実現したら辞める」米SalesforceのNFT構想に400人以上の社員反発
NFTマーケットプレイスOpenSeaでフィッシング詐欺 約2億円被害
伊Dolce&GabbanaがNFTコミュニティー立ち上げ、限定コレクション発売も
1.今週の注目トピック:25日にサービス開始したRakuten NFTとは?
楽天が、NFTマーケットプレイス「Rakuten NFT」のサービスを25日に開始した。同日21時から、アニメ「ULTRAMAN(ウルトラマン)」シリーズと日刊スポーツNEWSが提供する、競馬をテーマにしたNFTコンテンツシリーズ「黒鉄ヒロシGI激闘史『2010年シリーズ』の2種のNFTコレクションの販売を開始している。
今回は、Rakuten NFTがどのようなマーケットプレイスなのか、改めて特徴を解説する。
OpenSeaとはどう違う?Rakuten NFTの特徴
NFTマーケットプレイスは、NFTを売買できるプラットフォームだ。海外ではOpenSeaが世界最大規模のNFTマーケットプレイスを提供しており、日本ではLINEやコインチェック、GMOといった企業もサービスを開始している。
詳細:【基礎から解説】NFTはどこで買える?主要NFTマーケットプレイスを比較
Rakuten NFTの特徴を、世界最大のOpenSeaと比較しつつ見ていこう。
アカウント作成:楽天IDひとつで可能
Rakuten NFTでは、他の楽天サービスと共通の楽天IDを利用してアカウントを作成できる。楽天IDさえ持っていれば、新しくメールアドレスを登録したり、暗号資産(仮想通貨)のウォレットを生成する必要はない。
一方OpenSeaを利用するには、自分の暗号資産ウォレットが必要になる。暗号資産ウォレットを利用する場合、自分のウォレットのパスフレーズを失くしてしまうと、自分がこれまで購入した暗号資産やNFTをすべて失ってしまうというリスクがある。一方楽天IDであれば、パスワードの再発行もできるためそうした紛失リスクは非常に小さくなる。
クリエイター:楽天の提携する企業やクリエイターのみがNFT発行可能
Rakuten NFTでは、現在NFTの発行・一次販売は一般クリエイターには公開されておらず、楽天が提携した企業やクリエイターのコンテンツのみが販売され流通している。この点は、誰でもNFTを発行・販売できるOpenSea等のプラットフォームと大きく異なる。
背景には、日本のアニメや漫画といった有力コンテンツを軸にしたエンターテインメントへの注力方針や、違法なNFTや模造品の流通を避ける目的があるとみられる。
利用するブロックチェーン:楽天独自のプライベートチェーン
Rakuten NFTは、独自のプライベートチェーンを利用している。
「プライベートチェーン」とは
ネットワークへの参加者を、特定の管理者が決定できるブロックチェーンのこと。ビットコインやイーサリアムといった誰でも自由にネットワークに参加できる「パブリックチェーン」と比較すると、高速な処理スピード・安い手数料というメリットがあるが、一方でネットワークの維持が管理者に依存してしまったり、他サービスとの接続可能性が低いというデメリットがある。国内では、LINEの提供する「NFTマーケットβ」でもLINEのプライベートチェーンが利用されている。
手数料・処理速度について具体的に見てみると、現在イーサリアムはガス代と呼ばれる手数料を支払う必要があり、ネットワークが混雑している際にはガス代が高額になる。NFTの購入の際、混雑具合によっては数千円~数万円かかることもある。一方でプライベートチェーンでは、常時0円に近い手数料で取引が可能だ。
他方、プライベートチェーンは、「永続性」という観点ではパブリックチェーンに劣る。仮に楽天がブロックチェーン事業を畳むことになった場合、Rakuten NFTを利用して発行したNFT自体も消えてしまうが、パブリックチェーンを利用すれば、OpenSeaが消滅しても存続するような仕様でNFTを発行することも可能だ。また、パブリックチェーンベースのNFTは、購入したNFTマーケットプレイスとは別のマーケットプレイスでも出品できるが、Rakuten NFTで購入したNFTは現状Rakuten NFT内でしか出品できない。
決済方法:クレジットカード・楽天ポイントが利用可能
Rakuten NFTでは、現在クレジットカードと楽天ポイントを決済に利用可能だ。暗号資産を購入する必要がなく、手軽にNFTを購入できるという特徴がある。暗号資産には対応していない。
一方でOpenSeaでは暗号資産のみで支払いが可能なため、取引所などを利用して暗号資産を購入する手間がかかる。Rakuten NFTの方が手軽に購入が可能だ。
手数料:二次販売の出品者がプラットフォームに支払う手数料は14%
Rakuten NFTで購入したNFTを再販することも可能だが、その際には手数料が14%かかる。他方OpenSeaでは、①プラットフォームに支払う手数料2.5%②アーティストや制作者に支払うロイヤリティ手数料③イーサリアムやPolygonといったネットワークに支払う「ガス代」の3つがかかる。
②ロイヤリティ手数料は作品によって異なり、また③ガス代は日々変動するため単純比較はできないが、Rakuten NFTの手数料も決して安くはないと言えそうだ。
第一弾のNFTは即日完売、ウルトラマンは10倍の価格で取引
25日21時にRakuten NFTで販売を開始した「ウルトラマン」と「黒鉄ヒロシGI激闘史『2010年シリーズ』」の2種は、いずれも26日12時時点で完売していた。
「ウルトラマン」シリーズは、「ULTRAMAN」「ACE」「SEVEN」の3種のプレミアムアートが各78点ずつ、ひとつ7,800円で販売され、加えて10点限定のスペシャルボイス付きプレミアムアートがひとつ30,000円で販売されていた。
26日20時現在、二次流通市場での価格を見るとプレミアムアートは最安値78,000円、スペシャルボイス付きプレミアムアートは最安値300,000円となっており、それぞれ販売価格から10倍の値段で取引されている。

「黒鉄ヒロシGI激闘史『2010年シリーズ』」 は、9種のパックが各100点ずつ、ひとつ990円で販売された。二次流通市場では、1,200円~10,000円の最安値となっている。
今後も、テレビ朝日から番組の名シーンなどの貴重映像を集めたNFTや、アイドルグループ「アンダービースティー」の限定NFTトレーディングカード、アニメーション制作会社バンダイナムコピクチャーズ制作の人気アニメ「TIGER & BUNNY 2」のキャラクターを使用したNFT、Jリーグ公認NFTコレクション「J.LEAGUE NFT COLLECTION PLAYERS ANTHEM」の制作や販売、Rakuten NFTがセレクトするオリジナルNFTアート作品を集めた「Rakuten NFT Art Gallery」などの公開が予定されている。
2.今週のNFTニュース
ウクライナ支援にビットコインの寄付4億円、NFTの寄付PJTも立ち上げ
24日にロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから26日までの約2日間で、ウクライナ軍やNGOに約4.6億円のビットコインが寄付されたことが、ブロックチェーン調査会社ellipticによって分かった。また、同社によるとそのうち約3.4億円は、ひとりの人物による寄付とみられる。
また、売り上げとロイヤリティ収入を全額ウクライナの平和のために寄付するNFTプロジェクト「RELI3F」も26日に立ち上げられた。36人の賛同するNFT/Web3アーティストによる37種のNFTが、OpenSeaで同日より販売されている。26日20時時点で、既に総額456ETH(約1.3億円)が取引されている。
「実現したら辞める」米SalesforceのNFT構想に400人以上の社員反発
顧客情報管理の米Salesforce(セールフォース)が表明したNFT市場に参入する計画に対し、全世界の数百人の従業員が反発しているという。Thomson Reuters Foundationが報じた。
Salesforceは前週、従業員に対し、ユーザーがNFTを作成、販売できるNFTクラウドの販売プラットフォームを立ち上げる構想を発表している。Thomson Reuters Foundation が公開したSalesforceの内部文書によると、構想発表後、同社の共同CEOへ向け、NFTは 「規制されていない、非常に投機的な金融資産 」とし、環境や経済に与える影響や顧客の信頼を損なう可能性を懸念していると伝える公開書簡に、400人以上の従業員が署名したとのこと。従業員からの反発が「離職率の上昇につながる可能性がある」とも指摘し、「再考をお願いしたい」と記しているという。
詳細:https://www.metaverse-style.com/trend/4847
NFTマーケットプレイスOpenSeaでフィッシング詐欺 約2億円被害
大手NFTマーケットプレイスOpenSeaの複数のユーザーが、スマートコントラクトの移行に乗じたフィッシング詐欺の被害にあっていることがわかった。2月21日未明、OpenSeaは、影響を受けたユーザーは少数で、移行後のツールは安全に使用できると発表している。
OpenSeaは18日に、スマートコントラクトの更新を実施。ユーザーは所有するNFTを新しいスマートコントラクトに移行する必要があったが、そのタイミングを狙って更新画面になりすましたWebサイトのフィッシング詐欺が仕掛けられたとみられる。複数のユーザーが、NFTを移行後に何者かに盗まれたとSNSなどで報告しており、19日には同社の共同創設者で最高経営責任者(CEO)のDevin Finzer氏も「フィッシングのメールは認識されていない」としながらも、悪質なフィッシング攻撃を受け、32人のユーザーがNFTの盗難被害を受けたことを認めている。攻撃者のものと思われるアドレスには、被害を受けたユーザーから約170万ドル(約2億円)相当のETHと、人気NFT「Bored Ape Yacht Club」などのトークンが移管されている。
詳細:https://www.metaverse-style.com/trend/4847
伊Dolce&GabbanaがNFTコミュニティー立ち上げ、限定コレクション発売も
イタリアの高級ブランド「Dolce&Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)」は、高級ファッションNFTマーケットプレイス「UNXD」と共同で、メンバー限定NFTコミュニティー「DGFamily」を立ち上げた。
DGFamilyのメンバーになると、ドルチェ&ガッバーナの限定スワッグパックなど、デジタルウエアラブルと実物の衣装の両方の、他では入手できない限定ドロップにアクセスできるという。
【NFTトレンディ】NFTの標準規格「ERC721」「ERC1155」とは何か?
デジタル庁、NFT 利用など推進へ「Web3.0 研究会」設置
日本円ステーブルコイン「JPYC」、経産省「行政と連携実績のあるスタートアップ100選」に
第1回NFT小説大賞、田中伸幸氏が受賞
伊GUCCIが「Roblox」内に常設仮想空間「Gucci Town」をオープン
ブロックチェーン活用の地図サービス「Hivemapper」が約22億円調達
NFT市場は2030年には約32兆円に 米調査会社予測
CryptoNinja、アニメの概要発表 2種類のNFTを活用してクリエイターを支援
NBAステフィン・カリーが新記録のスニーカーを米UNDER ARMOURとNFTに
三菱UFJ銀行、メタバース経済圏アジア展開へTBT Labグループと提携
【NFTトレンディ】NFTの標準規格「ERC721」「ERC1155」とは何か?
「アートとは脳の認知革命」村上隆さんのNFT作品を体験できる個展、NYで開催
【NFTトレンディ】goblinが火付け役「フリーミント(無料配布)NFT」とは?
日本円ステーブルコイン「JPYC」、経産省「行政と連携実績のあるスタートアップ100選」に
【NFTトレンディ】SBT(ソウルバウンドトークン・Soul Bound Token)とは?
伊GUCCIが「Roblox」内に常設仮想空間「Gucci Town」をオープン
三菱UFJ銀行、メタバース経済圏アジア展開へTBT Labグループと提携
【NFTトレンディ】旅行×NFTの活用事例と旅行業界がNFTに取り組む背景
【基礎から解説】ブロックチェーンプラットフォームとは?
マドンナ、Beepleとコラボし初のNFT動画リリース
【NFTトレンディ】NFTの標準規格「ERC721」「ERC1155」とは何か?
【NFTトレンディ】goblinが火付け役「フリーミント(無料配布)NFT」とは?
【NFT Weekly】Murakami.Flowersインサイダー騒動とは?/「Coinbase NFT」公開/ニコニコ超会議でNFT配布/BAYCのメタバース土地「Otherdeed」
「アートとは脳の認知革命」村上隆さんのNFT作品を体験できる個展、NYで開催
【基礎から解説】ブロックチェーンプラットフォームとは?
三菱UFJ銀行、メタバース経済圏アジア展開へTBT Labグループと提携
NFTアーティスト「Beeple」初のフィジカル作品「HUMAN ONE」、約32億円で落札 史上2位
【NFTトレンディ】旅行×NFTの活用事例と旅行業界がNFTに取り組む背景
【NFTトレンディ】SBT(ソウルバウンドトークン・Soul Bound Token)とは?
伊GUCCIが「Roblox」内に常設仮想空間「Gucci Town」をオープン