三菱UFJ信託がステーブルコイン発行へ 即時決済でデジタル証券普及、23年春
西沢 裕子
2022/02/08
三菱UFJ信託銀行が、デジタル証券向けに即時決済できるデジタル通貨「プログマコイン」を2023年春にも発行することがわかった。日本経済新聞などが報じた。不動産などを小口売買できるデジタル証券の普及へ、決済のスピードも速めることで利便性を高めるという。
プログマコインは円と価値が連動する「ステーブルコイン」で、1円=1プログマコインで交換できる。金融庁は改正予定の資金決済法で、銀行のステーブルコイン発行を認める方向にある。
デジタル証券とはブロックチェーン技術を活用して発行される有価証券のこと。20年春の改正金融商品取引法により認められ、商業不動産や社債などを小口のトークンとして発行するため少額から投資でき、新たな投資資産として注目を集めている。
現在、証券の引き渡しや資金決済の完了には2日ほどかかり、デジタル市場でも証券のやり取り自体は即時に済ませることができても、決済に仲介機関を通すと同じく2日ほど必要だった。プログマコインを使用すれば、決済も即時完了するようになる。投資家の利便性が向上するだけでなく、金融機関にとってもコストの軽減になるという。
三菱UFJ信託は、23年に三井住友フィナンシャルグループなどが立ち上げるデジタル証券取引所に参画する。決済にはプログマコインが利用される予定。ステーブルコインはほかにも、メガバンクやNTTグループなどが年内にも試験発行を行うという。
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