【NFT Weekly】中国政府関連ブロックチェーンがNFT対応/OpenSeaのライバルLooksRareがリリース/大英博物館、ターナーの絵画NFT販売

2022/01/16

NFT Weeklyでは、過去1週間のNFTに関する注目トピックをまとめて紹介する。先週は中国政府関連のブロックチェーンサービスがNFTインフラの提供を計画、OpenSeaユーザーの引き抜きを狙う「LooksRare」がリリースされて取引額はOpenSea超え、大英博物館が「光の画家」として知られるロマン主義のターナーの絵画NFTを販売といったニュースがあった。

【今週の注目トピックス】

  1. 中国政府関連のブロックチェーンサービスがNFTインフラ提供を計画
    暗号資産には関係せず、人民元のみで取引可能
  2. OpenSeaユーザーの引き抜き狙う「LooksRare」がリリース、取引額はOpenSea超え
    ヴァンパイア・アタックは今のところ順調か
  3. 大英博物館、ターナーの絵画NFTを販売
    北斎NFT保有者には限定セールも

1.中国政府機関主導のブロックチェーンサービスがNFTインフラ提供を計画

中国政府関連機関が主導するブロックチェーンサービス「ブロックチェーンサービスネットワーク(BSN)」が、1月末にNFT実装のためのインフラ整備を計画していることが、13日に分かった。香港の英字新聞South China Morning Post(SCMP)などが報じた。NFTを管理するためのユーザーポータルやアプリを企業や個人開発者が構築できるような基盤「BSN分散型デジタル認証(BSN-DDC)」を提供する。NFTの取引に暗号資産(仮想通貨)は利用できず、中国人民元のみが利用可能だ。

BSNは2020年に、中国国営のチャイナモバイル、チャイナユニオンペイ、中国国家情報センター支援のもとRed Date Technology社によって設立された。

中国政府は国内のすべてのインターネットシステムにおいてユーザーの身元を確認し、違法行為が発生した場合に規制当局が介入できるとしている。そのため中国政府が介入しコンテンツや取引の強制削除や変更をすることができない、イーサリアムなどのパブリックなブロックチェーンは中国国内では「違法」とみなされる。こうした背景によって、報道によれば、BSNは特定の団体が管理できる「オープンパーミッションチェーン」の形を取っている。

Red Date Technology社のCEOであるHeYifan氏は、「ビットコインのような暗号通貨から距離を置いている限り、NFTは中国では法的に問題ない」「中国では、将来、年間数十億のNFTが生産されると見込んでいる」と述べている。

中国では暗号資産関連の決済や取引といった事業が2021年9月に禁止となった。一方で、NFT人気は白熱しており、アリババ・グループやテンセント・ホールディングスなど巨大テック企業もNFT事業に取り組んでいる。

仮想通貨禁止もブロックチェーン技術は推進 テンセントは独自プラットフォーム  中国NFT動向(1)https://www.metaverse-style.com/trend/2239

2.OpenSeaユーザーの引き抜き狙う「LooksRare」取引額はOpenSea超え

NFTマーケットプレイスの「LooksRare(ルックスレアー)」が1月10日にリリースした。Dune Analyticsのデータによれば、13日には既に約636億円もの取引がLooksRare上で行われており、OpenSea(オープン・シー)の同日取引額の約2.5倍、NFTマーケットプレイス中トップとなっている。ただし同データによれば、LooksRareのユーザー数はOpenSeaの20分の1程度と見られており、LookRareの取引額には「ウォッシュ・トレード」と呼ばれる取引の水増しも含まれているとの指摘もある。

LooksRareの取引画面

LooksRareは、リリースにあたって、OpenSeaのユーザーに対して独自トークン「LOOKS」を無料配布した。2021年6月16日から2021年12月16日の間に、OpenSeaで3ETH以上取引したユーザーが配布の対象だ。LOOKS保有者は、LOOKSを預け入れることで、LooksRare上のNFT取引にかかる2%の手数料の分配を受け取ることができる。

今回LooksRareは、OpenSeaという成功しているサービスのユーザーに独自トークンを配布しインセンティブを提供することで、OpenSeaのユーザーや資金、NFT取引の流動性を奪おうとしている。このように、あるサービスのユーザーにインセンティブを提供し、ユーザーや資金を吸い取ろうとする手法を「ヴァンパイア・アタック」と呼ぶ。

ヴァンパイア・アタックは、取引履歴やソースコードが基本的に公開されているという特徴を持つ、暗号資産領域ならではの攻撃手法だ。2020年に分散型取引所のSushiswap(スシスワップ)がUniswap(ユニスワップ)に対して行ったケースなどがある。

LooksRareのサイトによれば、LOOKSのステーキング報酬は、1月15日現在APR(年利)900%を超えている。ただしこの高利率はウォッシュ・トレードの手数料分配に依存している面があり、長期的に持続することは期待しにくい。

3.大英博物館、ターナーの絵画NFTを販売

ロンドンにある大英博物館が、所蔵するイギリスのロマン主義の画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの20点の絵画をNFT販売することが11日に分かった。限定プライベートセールは2月8日〜9日、一般販売は2月9日〜3月4日にフランス発のNFTマーケットプレイス「LaCollection」で行われる。

大英博物館は2021年9月にLaCollectionと提携して葛飾北斎の作品200点以上をNFTとして販売しており、NFT販売は今回で2回目となる。

ターナーは「光の画家」として知られる18世紀の芸術家。NFT販売される作品には、「コロッセオ、ローマ」(1820年頃)、「月光によるルツェルン」(1843)などの有名作品も含まれる。

Joseph Mallord William Turner, The Colosseum, Rome (1920) (出典:大英博物館ギャラリー

今回販売されるNFTには3種類のランクがあり、9作品が「ウルトラレア」、7作品が「スーパーレア」、4作品が「オープンエディション」とのことだ。ウルトラレアおよびオープンエディションのNFTは、前回の北斎NFT購入者向けに限定プライベートセールで販売される。