【NFT Weekly】元TwitterCEOがWeb3批判/アディダス・ミッキーマウス・ボーダフォンのNFT販売

2021/12/26

NFT Weeklyでは、過去1週間のNFTに関する注目トピックをまとめて紹介する。先週はジャック・ドーシーがWeb3批判でVCと議論、アディダスの初NFTシリーズが約49億円売り上げ、ボーダフォンが世界最初のSMSをNFT販売、ミッキーマウスNFTが完売といったニュースがあった。

【今週の注目トピックス】

  1. Twitterの創業者ジャック・ドーシーがWeb3批判、VCと議論
    「Web3はVCが所有している」と主張し、マーク・アンドリーセンにブロックされる
  2. 米アディダス初のNFTシリーズ「Into The Metaverse」、発売72時間で約49億円売り上げ
    フロア価格は3倍以上に
  3. ミッキーマウスNFTが完売、URのフロア価格は約60倍に
    VeVeで約4万個が販売
  4. 英ボーダフォンが世界最初のSMSをNFT販売
    1,700万円の売り上げはUNHCRに寄付

1.Twitterの創業者ジャック・ドーシーがWeb3批判、VCと議論

Twitterの共同創業者で先月まで同社CEOを務めていたジャック・ドーシー氏は、21日、自身のTwitterでWeb3について「ベンチャーキャピタル(VC)や投資家のものとなっている」と批判的な投稿を行い、物議をかもした。

皆さんはWeb3を所有していない。所有しているのはVCや投資家で、彼らのインセンティブから逃れることはできない。従来と異なるラベルが貼られているが、結局は完全に中央集権的な存在だ。自分が何に足を踏み入れようとしているのか知るべきだ…

■Web3とは
インターネットの黎明期を「Web1.0」、そこからGAFAなどの大企業の巨大プラットフォームが権力を握る「Web2.0」に続く、分散型のウェブを一般的にWeb3.0(Web3)呼ぶ。Web3.0は、情報の管理やアクセスを大企業プラットフォームに依存せず、個人同士がつながり、それぞれが選択する権利とその責任を持つという特徴がある。

【基礎から解説】Web3.0とは何なのか Web2.0、Web1.0との違いは?

同氏は、VCがWeb3で莫大な富を得る中、個人がわずかなおこぼれをもらうのを揶揄した絵を「100点」とリツイートするなど、現在のWeb3が「プラットフォームや大企業ではなく個人がウェブを所有する」という理想とはかけ離れていると考えているようだ。

PayPalの創業者でありテスラのCEOのイーロン・マスク氏も、21日に「誰かWeb3を見た人がいるか?私は見ていない」と論争に加わった。ドーシー氏はリプライで「(web3は)aとzの間のどこかにある」と、暗号資産プロジェクトへの投資で知られるベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)を揶揄した。

こうしたツイートに対し、コインベースの元CTOで、a16zの元パートナーであるバラジ・スリニバサン氏は、「イーサリアムは2014にクラウドセールを行い、VCから1円も調達していない」と反論した

また、最初期のウェブブラウザのネットスケープ開発者であり、a16zの創業者であるマーク・アンドリーセン氏が、こうした論争の中でドーシー氏をTwitter上でブロックしたことが23日に分かった。

a16zは、米大手取引所のコインベースや、分散型レンディングサービスのCompound、ステーブルコインのMakerDAO、スニーカーNFTのRTFKT、NFTマーケットプレイスのOpenSeaといったプロダクトに投資している。また2021年6月には、約2,400億円の暗号資産ファンドを組成した。

2.米アディダス初のNFTシリーズ「Into The Metaverse」、発売72時間で約49億円売り上げ

米スポーツメーカー大手adidasのファッションブランド「adidas Originals」は12月20日(現地時間)、 NFTコレクターのgmoney 、 NFTアーティストのBored Ape Yacht Club 、 NFTコミックのPunks Comic とのコラボNFTが72時間で4300万ドル(約49億円)を売り上げたと発表した。

米adidas初のNFTコラボ、発売72時間で約49億円売り上げ

12月25日現在、NFTマーケットプレイスOpenSeaでの最低価格は約3,000ドルと、販売価格の3倍以上になっている。

3.ミッキーマウスNFTが完売、URのフロア価格は約60倍に

NFT販売アプリのVeVeは23日、ミッキーマウスのNFTシリーズ「The Mickey Mouse NFT Collection」を販売し、その日のうちに売り切れとなった。今回の第一弾では、1928年にミッキーマウスの短編映画シリーズとして初めて公開された作品『Steamboat Willie(蒸気船ウィリー)』がテーマとなっている。

NFTは1つ60ドルで、購入するまで何のアイテムを獲得したか分からない「ブラインドボックス」形式で合計39,784個販売された。合計売上は238万7,040ドル(約2.7億円)となる。

出典:https://twitter.com/veve_official/status/1473392005480734720

レアリティと販売個数は、下記の通りになっている。

  • 「A Jaunty Jig」(コモン): 18,928個
  • 「A Happy Whistle」(アンコモン):13,928個
  • 「All Together, Now!」(ウルトラレア):6,928個

ウルトラレアの「All Together, Now!」は、25日現在、VeVeの二次流通市場で販売価格の6倍を超える約3,700ドル(約42万円)相当の価格で取引されている。

VeVeは2021年8月にスパイダーマン、9月に星の王子さま、11月にディズニーのNFTシリーズと人気コンテンツのNFTを数多く手がけている。

4.英ボーダフォンが世界最初のSMSをNFT販売

英通信大手のボーダフォンは22日、1992年に送信された世界初のSMSメッセージをNFTとして販売し、約1,721万円を売り上げた。オークションはパリのオークションハウスAguttesで行われ、イーサリアムで落札された。

オークションにかけられたのは、1992年12月3日にVodafoneの従業員RichardJarvisに開発者のNeil Papworthから送信された「Merry Christmas」というテキストの通信プロトコルだ。収益は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に寄付される。

2021年3月にはジャック・ドーシー氏の初のツイートが約3億1640万円で落札された。12月には、世界最初のWikipedia編集画面が、NFT(非​代替性トークン)として競売にかけられ、約8,500万円で落札された。