PwCが「The Sandbox」の土地「LAND」購入、メタバースに「ビジネスの新しい可能性」

世界的なコンサルティンググループのプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が12月23日、香港のブロックチェーンゲーム企業Animoca Brands傘下のNFTゲーム「The Sandbox」のメタバース上の土地「LAND」を購入したことがわかった。PwCの香港拠点であるPwC Hong Kongが購入した。コンサル企業による LAND の購入は初の事例とのこと。

PwC香港が購入した LAND の場所や金額などは明らかにされていない。最近の販売では、 LAND は1回約1万ドル(約115万円)で取引されている。

米経済紙などで「メタバースのパイオニア」としても取り上げられたThe Sandboxは、ユーザーが仮想の不動産NFTである LAND 上で独自の世界を作り、収益化もできるメタバースゲーム。最近では著名ラッパーのスヌープ・ドッグとのコラボレーションや米スポーツメーカー大手adidasのファッションブランド「adidas Originals」によるLANDの確保などケースもある。また11月には、ソフトバンクグループから約100億円を調達している。

The Sandbox のSebastien Borget COOは「メタバースはビジネスのために開かれている。私たちはPwC香港を歓迎する」とコメントしている。

今回のLAND購入にあたり、PwC Hong KongのパートナーWilliam Gee氏は「メタバースは、ビジネスの新しい可能性を提供する。メタバースを取り入れたいと考えている企業に対して、我々の専門性を生かしてアドバイスしたい」と述べている。日本国内でもPwCコンサルティング合同会社が 12月 22日、メタバースを活用したビジネス変革のコンサルティング支援サービスの提供を開始すると発表した。

新型コロナウイルスの世界的な流行に伴って生活様式が変わる中で、メタバースの活用が広がり、今後のビジネス全般において主流となることが見込まれることから、メタバース活用の支援を始めるとのこと。事業構想から新規事業のデザイン、マネタイズモデルの設計、データ活用、システム開発に至る具体化まで一貫して対応する。


また、傘下のPwCあらた有限責任監査法人の新卒採用イベントをメタバース空間内で開催するなど、PwC Japanグループ内でもメタバースを活用。従来のコンサルティングサービスをメタバース空間に再現するのではなく、伝統的なコンサルティングのあり方が抱える課題に対し、新しい解決策の方向性やより付加価値のあるモデルを提示していくという。