【NFT Weekly】NIKEやメルカリ、LINEなどNFT参入/マイケル・ジョーダンがNFTサービス/Sound.xyzが5億円の資金調達
NFT Weeklyでは、過去1週間のNFTに関する注目トピックをまとめて紹介する。先週はNIKEやメルカリ、LINEで大型発表が相次いだ他、マイケル・ジョーダンがNFTプラットフォームの立ち上げ発表、音楽NFTサービスSound.xyzが5.7億円の資金調達といったニュースがあった。
【今週の注目トピックス】
- NIKE、メルカリ、LINEで大型発表相次ぐ
NIKEがRTFKT買収、メルカリがパ・リーグの名場面コレクション発売、LINE NFT発表 - マイケル・ジョーダンがアスリート向けNFTプラットフォーム「HEIR」を発表
12億円の資金を調達 - 音楽NFTプラットフォームSound.xyzがa16zなどから5.7億円の資金調達
アーティストの収益化を目指す - コインベースCEOがメタバースにおけるユーザー識別NFTに言及
1.NIKE、メルカリ、LINEで大型発表相次ぐ
①NIKEがデジタルスニーカーのRTFKTを買収
米スポーツブランドNIKEは現地時間12月13日、デジタルスニーカーなどで知られるRTFKT(アーティファクト)を買収したことを発表した。
RTFKTは2020年1月に創業し、デジタルスニーカーのNFTで支持を集めた。2021年2月には合計310万ドル(約3.4億円)を売り上げ、2021年11月には、アーティストの村上隆氏とコラボしたアバターNFTシリーズ「CloneX」を販売し、総取引量はすでにすでに約6,500万ドル(約74億円)を超えている。
米NIKEがNFTスニーカーのRTFKT買収 メタバース強化
https://www.metaverse-style.com/fashion/2861
②メルカリとパ・リーグ6球団が名場面動画のNFT発売
メルカリとプロ野球パ・リーグ6球団が出資するパシフィックリーグマーケティングは12月16日、NFT化したプレー映像やメモリアルシーンなどの動画コレクション「パ・リーグ Exciting Moments β」を年内にも始めると発表した。
メルカリグループは、2017年から「mercari R4D」という組織を通じて、ブロックチェーンに関する研究開発や実証実験を進めてきた。2021年4月には暗号資産やブロックチェーン関連のサービスの企画開発を行う子会社「メルコイン」を立ち上げ、2021年10月にはNFTサービスの事業責任者を募集していた。
メルカリとパ・リーグ6球団が名場面動画のNFT発売
https://www.metaverse-style.com/trend/2967
③NFTマーケットプレイス「LINE NFT」来春スタート
LINEのブロックチェーン関連事業を展開するLVCは、NFT総合マーケットプレイス「LINE NFT」を来春に開始する。
2021年6月から「LINE BITMAX Wallet」内のサービスとして提供している「NFTマーケットβ」を新たに独立させる。一次販売サービスや日本円決済の導入など、機能を拡充させた総合マーケットプレイスとしてサービスをスタートする。
現在、LINE BITMAX WalletでNFTの購入はできるが、個人やアーティストがNFTを作成・一時販売することはできない。また、LINEの独自通貨「LINK」が主に用いられ、日本円決済も非対応である。「LINE NFT」ではこうした点が大きく変わる予定である。
NFTマーケットプレイス「LINE NFT」来春スタート 日本円決済でガス代なし
https://www.metaverse-style.com/trend/2918
2.マイケル・ジョーダンがアスリート向けNFTプラットフォーム「HEIR」を発表
米NBAで活躍し「バスケットボールの神様」と呼ばれるマイケル・ジョーダン氏は16日、アスリート向けNFTプラットフォーム「HEIR」の立ち上げを発表した。
HEIRは2022年にリリースされる予定で、メンバーシップ限定のデジタル資産を通じて、アスリートと世界中のファンの関係性を深めることを目的としている。HEIRはSolana(ソラナ)ブロックチェーンを利用する予定だ。
マイケル・ジョーダン氏と息子のジェフリー・ジョーダン氏はHEIR立ち上げのため「HEIR Inc.」を創業し、Thrive CapitalやSolana Venturesなどから1060万ドル(約12億円)の資金を調達している。
マイケル・ジョーダン氏は、3月にNBAのトレーディングコレクションNFT「NBA Top Shot」を展開するDapper Labs(ダッパーラボ)の資金調達にも参加している。
3.音楽NFTプラットフォームSound.xyzがa16zなどから5.7億円の資金調達
音楽NFTプラットフォームのSound.xyzは、15日、ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)などからシードラウンドで5万ドル(約5.7億円)の資金調達を行ったことを発表した。
Sound.xyzは、アーティストがレーベルやプラットフォームに依存せず、音楽を通じて収益を上げることを目指すスタートアップだ。2021年現在、アーティストはSound.xyzを通じて新曲をNFTでファンやコミュニティに直接販売することができる。
また、ユーザーは購入した楽曲NFTのお気に入りの部分を指定しコメントを残すことができ、指定した箇所が楽曲にもともと埋め込まれているゴールデンエッグの箇所と一致すると、NFTが特別バージョンに変化するといったソーシャルや遊びの要素を持つ。
同社は2021年12月にMatthew Chaimなど7名のアーティストによるNFT販売を行い、いずれも1分以内で売り切れとなった。
Sound.xyzはプレスリリースで、音楽NFTのメリットについて下記のように述べている。
音楽NFTは、オーナーシップがアーティストとファンの関係にもたらす破壊的な力を示している。音楽ストリーミングプラットフォームが音楽の価格を決め、大多数のアーティストが音楽で生計を立てられないような壊れた経済モデルから、アーティストが自由になることができる。
4.コインベースCEOがメタバースにおけるユーザー識別NFTに言及
米暗号資産取引所のコインベースCEOであるブライアン・アームストロング氏は17日、メタバースに関するブログ記事を公開し、メタバースにおけるNFTベースのユーザー識別の提供について言及した。
ブログではメタバースの定義や要素についてまとめた後、次のように述べられている。
Coinbaseでは、基本的に、メタバースに入るためのアイデンティティを作成し、アイデンティティのすべての部分(簡易ログインやID、アバター、身元証明等)を1つにまとめることを支援したいと考えています。これが我々がENSに取り組んでいる背景で、ウォレットに一意のユーザー名NFTを紐づけることを可能にします。
要するにコインベースは、メタバースにおいて必要なアイデンティティの様々な要素を、ひとつのユーザー名NFTを用いることで統合し使いやすくすることを視野に入れているようだ。
ENSとはEthereum Name Serviceのことで、インターネットにおけるドメインネームサービスのようなものだ。イーサリアムのウォレットアドレスを英数字の羅列から、「metaverse.eth」のような人間が読める分かりやすい文字列に変更できる。取得したENSは、NFTにして売買することも可能である。
コインベースは、2020年2月にENSを利用して暗号資産を送金できる機能を追加するなど、ENSの活用に取り組んでいる。
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