【基礎から解説】NFTはどこで買える?主要NFTマーケットプレイスを比較

2021年の流行語大賞の候補にもなっていた「NFT」だが、実際買おうとすると、「仮想通貨がないと買えないのか」「どのマーケットを使うと良いのか」など様々な疑問も出てくるだろう。この記事では、NFTを買える主要なマーケットプレイス7つの概要と特徴を紹介する。
- そもそもNFTとは?
- NFTマーケットプレイスとは?
- 海外の主要なNFTマーケットプレイス
3-1.OpenSea(オープンシー)
3-2.Rarible(ラリブル)
3-3.Foundation(ファウンデーション)
3-4.VeVe(ヴィヴィ)
3-5.その他 - 国内の主要なNFTマーケットプレイス
4-1.Coincheck NFT(β版)
4-2.nanakusa(ナナクサ)
4-3.NFTマーケットβ
4-4.その他 - まとめ:一覧表
- NFTを購入する際の注意点
6-1.投資対象とするにはハイリスク
6-2.偽物が多く出回っている
6-3.商業利用や二次創作は制限されている場合も多い
1.そもそもNFTとは?
NFT(非代替性トークン)とは、ブロックチェーン上で発行された、鑑定書・取引履歴証明のついたデジタルデータのことだ。データの作者・所有者・作成時・取引日時などを、偽造・改ざんを防いで証明することができる。
NFTを利用することで、「X月X日にアイドルのXXからもらった1点もののサイン」のような、唯一無二の価値がある1点ものを、デジタルデータとして保有・表明できるようになった。
従来、デジタルデータはコピーや偽造が容易だったため、資産的な価値があるデジタルデータを作成したり、さらにそれをインターネットで取引することは困難だった。NFTを利用することで、資産価値のあるアートやトレーディングカード、ゲーム内アイテムなどをデジタルで作成し取引できるようになる。
またブロックチェーンのネットワークが存続する限り、NFTの作成者・所有者・取引履歴などのデータも残る。たとえば、遊んでいたゲームの運営会社が倒産すると、従来であれば課金して入手したゲームのキャラクターや資産はすべてなくなってしまう。しかしNFTを利用したゲームであれば、仮に運営会社が倒産しても記録はブロックチェーンに残っているため、ファンや他の会社が復活させるといったことも可能である。
2.NFTマーケットプレイスとは?
インターネット上でNFTを製作・出品・販売できるプラットフォームのことを、「NFTマーケットプレイス」と呼ぶ。出品者と購入者がいて、個人間で自由に取引ができる「メルカリ」や「ヤフオク!」のNFTバージョンをイメージすると良い。
NFTブームの起こった2021年には多くの企業がNFTマーケットプレイスを立ち上げており、国内ではLINEやGMO、楽天といった企業も参入している(楽天は2021年12月現在準備中)。また仮想通貨やクレジットカードを利用して、海外のNFTマーケットプレイスでNFTを購入することもできる。
一口にNFTといってもアートやゲームアイテム、メタバースのアバターや土地、ドメインなど様々な種類があり、NFTマーケットプレイスによって取り扱うNFTの種類や、利用できる決済手段などが異なってくる。3章・4章では、海外と国内の主要なNFTマーケットプレイスを取り上げ、概要や特徴を解説する。
3.海外の主要なNFTマーケットプレイス
3-1.OpenSea(オープンシー)
世界最大のNFTマーケットプレイス
2017年12月にサービスを開始した、世界最大の取引額を誇るNFTマーケットプレイスで、アメリカのニューヨークに拠点を置いている。OpenSeaを利用することで、誰でも自由に作品を製作・出品・購入できる。利用には仮想通貨が入った仮想通貨ウォレットが必要となる。
3種類の販売方法がある
OpenSeaでは「固定価格方式」「オークション方式」「オファー」の3種類のNFT購入方法がある。
- 固定価格方式:出品者が自分のNFTに価格を設定し、購入者はその価格で買うことができる。
- オークション方式:「ヤフオク!」のように、期間内に最高価格を提示した人が購入できる通常のオークションや、「ダッチオークション」と呼ばれる、初期価格が高めに設定されて買い手がつくまで値下がりしていくオークションが可能である。
- オファー:NFTの保有者に、「●円で買いたい」というオファーを出すことができ、保有者が同意すれば取引が設立する。

自由で玉石混交
OpenSeaは、出品者・購入者の本人確認や制限がなく、仮想通貨ウォレットさえ持っていれば誰でも自由に売買に参加できる。そのために最も多様な種類のNFTが流通し玉石混交となっており、中には詐欺や偽物の作品もある。気に入る作品やお買い得の出品を探し出すワクワク感がある一方で、購入時には作品が本物かどうかしっかり確認する必要がある。
機能・特徴まとめ
- 決済方法:仮想通貨のみ
- 取引ボリューム:Dappradarのデータでは、2021年11月の1カ月間で約19億ドル(2132億円)
- 販売されているNFTの種類:アート、音楽、ゲームアイテム、コレクティブル、メタバースアイテム、スポーツNFT、ドメイン名、トレーディングカードなど
- 手数料:販売手数料2.5%
- 対応ブロックチェーン:Ethereum(イーサリアム)、Polygon(ポリゴン)、Tezos(テゾス)、Klaytn(クレイトン)
3-2.Rarible(ラリブル)
OpenSeaに次ぐ大手マーケットプレイス
2019年にサービスを開始した、OpenSeaに次いで大きなNFTマーケットプレイス。誰でもNFTの製作・出品・購入ができる。Raribleチームが運営しているが、ゆくゆくは企業ではなくコミュニティによって所有される、分散化されたNFTマーケットプレイスになることを目指している。またメッセンジャー機能の追加など、新しい取り組みも行っている。
サイト: https://rarible.com/
独自トークン$RARI
Rarible上でNFTを出品・購入することで、独自トークン$RARIを得ることができる。$RARIの保有者は、Raribleの方向性やアップデートに関して投票を行うことができる。取引手数料などもこの投票によって決定される。
機能・特徴まとめ
- 決済方法:仮想通貨のみ
- 取引ボリューム:不明。総取引ボリュームは2億7,400万ドル(約306億円)
- 販売されているNFTの種類:アート、メタバース、コレクティブルなど
- 手数料:販売手数料2.5%
- 対応ブロックチェーン:Ethereum、Tezos、Flow(フロウ)
3-3.Foundation(ファウンデーション)
アートに特化したNFTマーケットプレイス
2021年2月にリリースした、アートに特化したNFTマーケットプレイス。OpenSeaやRaribleが誰でも出品できるのに対して、Foundationでは招待制となっており、出品者から紹介を受けた人のみが出品できる。そのため精力的に活動しているアーティストの作品が多く、OpenSeaやRaribleと比較すると高額になる傾向がある。

機能・特徴まとめ
- 決済方法:仮想通貨のみ
- 取引ボリューム:2021年12月時点で、総額43,740ETH(約218億7,000万円)
- 販売されているNFTの種類:アート、写真
- 手数料:販売手数料15%
- 対応ブロックチェーン:Ethrereum
3-4.VeVe(ヴィヴィ)
「ディズニー」「ウルトラマン」など人気作品のNFTを取り扱う
iOS・Androidで利用できるNFTの売買・展示アプリ。シンガポールに拠点を置くECOMIが2021年2月から提供している。誰でもNFTを出品できるわけではなく、VeVeが提携した企業やアーティストの作品のみが発売される。過去には、「スパイダーマン」をはじめとするマーベルシリーズや、「ウルトラマン」「星の王子さま」「ディズニー」といった人気作品のNFTが販売されている。
VeVeで購入した作品を、VeVe内の二次流通マーケットに出品することも可能である。またアプリ内で、自分の保有するNFTをギャラリーに展示したり、AR機能を利用して好きな場所にアイテムを表示することができる。
アプリへのリンク:https://linktr.ee/VeVeDigitalCollectibles
クレジットカードで決済できる
VeVeは、仮想通貨決済ではなく、クレジットカードでアプリ内のジェムを購入し、ジェムを利用してNFTを購入する仕組みとなっている。VeVeで購入した作品を二次流通マーケットで転売しジェムの利益を得たとしても、ジェムは現金に戻すことができない点に注意したい。
機能・特徴まとめ
- 決済方法:アプリ内のジェムをクレジットカードで購入
- 取引ボリューム:不明
- 販売されているNFTの種類:人気作品のコレクション
- 手数料:二次流通2.5%
- 対応ブロックチェーン:GOchain
3-5.その他
その他の海外の主要なNFTマーケットプレイスとしては、下記が挙げられる。
4.国内の主要なNFTマーケットプレイス
4-1.Coincheck NFT(β版)
国内の仮想通貨取引所Coincheck(コインチェック)が運営
2021年3月にリリースした、仮想通貨取引所のCoincheckが運営するNFTマーケットプレイス。国内の仮想通貨取引所では初の事例である。人気メタバースゲームの「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」の土地「LAND」や、「Cryptopunks(クリプトパンクス)」で知られるLarva Labsのプロジェクト「Meebits(ミービッツ)」を販売している。
NFTを出品・購入するには、Coincheckで口座を開設し本人確認を済ませる必要がある。
現在は特定タイトルのみの取り扱い
β版では、特定のタイトルのみが取り扱われている。現在売買できるのは下記5種類。
- The Sandbox
- Meebits
- NFTトレカ
- Sorare(ソーレア)
- CryptoSpells(クリプトスペルズ)
機能・特徴まとめ
- 決済方法:仮想通貨のみ
- 取引ボリューム:不明
- 販売されているNFTの種類:5タイトル
- 手数料:販売手数料10%
- 対応ブロックチェーン:Ethereum
4-2.nanakusa(ナナクサ)
SBIが買収した日本発NFTマーケットプレイス
SBIホールディングスの子会社が運営するNFTマーケット。スマートアプリ社によって2021年4月にリリースされ、2021年9月にSBIが買収した。スマートアプリは現在はSBINFTに名称が変更されている。
nanakusaには「nanakusa公認アーティストによるNFT」「提携パートナーによるNFT」の2種類が販売されている。公認アーティストになるには審査を通過する必要があるため、誰でも出品できるOpenSeaやRaribleと比較すると、高クオリティな作品が多くなっている。
また2021年12月現在、提携パートナーは国内の事業者をメインとしており、「MyCryptoHeroes(マイクリプトヒーローズ)」「Crypto Spells(クリプトスペルズ)」をはじめとした12の提携パートナーによるNFTが販売されている。

機能・特徴まとめ
- 決済方法:仮想通貨・クレジットカード
- 取引ボリューム:不明
- 販売されているNFTの種類:公認アーティストのアート作品、提携パートナーのゲームアイテムやコレクティブル
- 手数料:販売手数料7.5%
- 対応ブロックチェーン:Ethereum、Polygon
4-3.NFTマーケットβ
LINEの子会社が提供するNFTマーケットプレイス
NFTマーケットβは、LINEの子会社であるLVC社が2021年6月より提供するNFTマーケットプレイス。LINE Blockchainを利用している。利用するにはLINEの仮想通貨取引所「LINE BITMAX」の口座開設・本人確認が必要だ。
売買できるのは、LINE Blockchain上のアイテム。自由に作成・出品はできず、運営が配布・販売したNFTを売買できる形となる。2021年冬に「ヤフオク!」との提携を予定している。
機能・特徴まとめ
- 決済方法:仮想通貨。独自通貨LINKが必要
- 取引ボリューム:不明
- 販売されているNFTの種類:LINEが配布・販売したNFT
- 手数料:なし
- 対応ブロックチェーン:LINE Blockchain
4-4.その他
その他の国内の主要なNFTマーケットプレイスとしては、下記が挙げられる。
5.まとめ:一覧表
ここまで取り上げてきたNFTマーケットプレイスの機能と特徴を一覧表にまとめた。
決済方法 | 出品可能な人 | 購入できるNFTの種類 | 手数料 | 対応ブロックチェーン | |
OpenSea | 仮想通貨のみ | 誰でも | 何でも(アート、音楽、ゲームアイテム、ドメイン名など) | 販売手数料2.5% | Ethereum、Polygon、Tezos、Klaytn |
Rarible | 仮想通貨のみ | 誰でも | アート、メタバース、コレクティブルなど | 販売手数料2.5% | Ethereum、Tezos、Flow |
Foundation | 仮想通貨のみ | 出品者から紹介を受けた人 | アート | 販売手数料15% | Ethereum |
VeVe | アプリ内ジェム | VeVe運営(二次流通も可) | VeVeが提携した企業のコレクティブルなど | 二次流通手数料2.5% | GOchain |
Coincheck NFT | 仮想通貨のみ | 誰でも | メタバースアイテム、コレクティブルなど取り扱いタイトル5種 | 販売手数料10% | Ethereum |
nanakusa | 仮想通貨・クレジットカード | 公認アーティスト・提携パートナー(二次流通も可) | アート、ゲームアイテム、コレクティブルなど | 販売手数料7.5% | Ethereum、Polygon |
NFTマーケットβ | 仮想通貨(独自通貨LINKのみ) | 運営(二次流通も可) | LINEが配布・販売したコレクティブルなど | 不明 | LINE Blockchain |
6.NFTを購入する際の注意点
6-1.投資対象とするにはハイリスク
2021年には「Cryptopunks」が約8億円で取引されるなど、高額のNFT取引が増え、ニュースでも話題となった。NFTを投資対象として保有する人も増加傾向にある。
しかし、NFTは投資としては非常にハイリスクである。というのは、誰でもNFTの作成が可能であり、市場では今後もNFTの供給が無限に増えていくことが容易に予想されるためだ。2021年現在も非常に多くのNFTが販売されているが、資産価値が付くのはその中でもごく一部であるという点に留意したい。
「NFTだから無条件にすごい」というわけではなく、「NFTという技術を使ってどのような価値を生み出しているのか」を見極めることが大切だ。
6-2.偽物が多く出回っている
OpenSeaなど誰でも出品できるNFTマーケットプレイスでは、著名アーティストの贋作や人気NFTの偽物が出回っているので、注意が必要だ。たとえば、2021年9月には、バンクシーの作品NFTがOpenSeaで約3,800万円で落札されたが、後から偽物だったと判明する事件があった。またCryptopunksなど高額NFTの偽物も販売されている。
特に高額のNFTを購入する際は、NFTの発行アドレスである「コントラクトアドレス」が出品ページに記載されているので、それが販売元が公式に発表しているコントラクトアドレスと一致することを確かめるようにしたい。
6-3.商業利用や二次創作は制限される場合も多い
NFTを購入したからといって、その作品の著作権や所有権を手にするわけではない。商業利用や二次創作は制限されているケースも多いため、個人利用の範囲を超えて利用したい場合はクリエイターや販売元の発表を確認しよう。
NFTに初めて触れる場合は、こうした留意点を踏まえ、まずはOpenSeaなどで少額でお試し購入してみることをおすすめする。具体的な方法は下記体験記が参考になるだろう。
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