【NFT Weekly】雑誌「TIME」がメタバースに注力/スクエニがNFT第2弾/OpenSeaの評価額100億ドルに?

2021/11/21

NFTWeeklyでは、過去1週間のNFTに関する注目トピックをまとめて紹介する。先週は11月18日に雑誌『TIME』がメタバース分野に注力するためギャラクシー・デジタル社との提携を発表したり、スクウェア・エニックスのNFT「資産性ミリオンアーサー」第二弾の発売が決定するというニュースがあった。

【今週の注目トピックス】

  1. 雑誌『TIME』がメタバース分野への注力を発表
    ギャラクシー・デジタル社と提携
  2. スクウェア・エニックスのNFTデジタルシール「資産性ミリオンアーサー」第二弾が決定
    25日20時から発売開始
  3. 米NFL、NFTマーケットプレイスを立ち上げ
    「バーチャル記念チケットNFT」など発行
  4. NFTマーケットプレイスOpenSeaの評価額が100億ドルに
    2021年7月の15億ドルの評価額から7倍に

1.雑誌『TIME』がメタバース分野への注力を発表

18日、雑誌『TIME』を発行する米タイム(TIME)社が、暗号資産(仮想通貨)の投資・運用企業である米ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)社との提携を発表した

提携により、TIME社は読者がメタバースについて学ぶための週刊ニュースレター「Into the Metaverse」を始めたり、「世界で最も影響力のある100人のリスト」にメタバースカテゴリを作る予定だ。また12月には、メタバースに関する学習教材をウェブサイトで提供開始する。

TIME社社長のKeith A. Grossman氏は、

メディアの力とメタバースを組み合わせて読者を教育し、より夢中になれるバーチャル世界の未来に先駆けるにあたって、ギャラクシー・デジタルのようなビジョナリーな人々と提携できることにとてもわくわくしています。

https://www.newswire.ca/news-releases/galaxy-digital-and-time-partner-combining-the-power-of-media-and-the-metaverse-to-educate-readers-and-trailblaze-towards-a-more-immersive-virtual-future-885100749.html

とコメントした。

提携は、イーサリアムブロックチェーンの基軸通貨であるETH(イーサ)を用いて行われた。これにより、TIME社の貸借対照表には初めてイーサが記載される予定。

TIME社は、2021年3月に雑誌の表紙をもとにしたNFTを発行しオークションを行ったり、仮想通貨に詳しい最高財務責任者を募集していた。また2021年4月には、ビットコインをはじめとする仮想通貨での購読料支払いに対応を開始した。

米国の大手メディアでは、ニューヨーク・タイムズ紙がフェイク・ニュースを防ぐためのブロックチェーン活用の実証実験を行ったり、記事のNFTを発行するなど仮想通貨・ブロックチェーン領域に積極的に投資している。

2.スクウェア・エニックスのNFTデジタルシール「資産性ミリオンアーサー」第二弾が決定

19日、スクウェア・エニックスはNFTデジタルシール「資産性ミリオンアーサー」の第二弾「-邪神、暴走-」を25日20時より発売すると発表した

資産性ミリオンアーサー公式HPより

「資産性ミリオンアーサー」は国内NFT企業であるdoublejump.tokyoとスクウェア・エニックスが共同で開発したものとなる。第一弾「-資産王、君臨-」は10月14日に発売され、15,000円の30種コンプリートセットが売り切れるなど好評を得ていた。

第二弾も第一弾と同様にキャラクターシール・4コマ漫画シールが各1枚500円で数量限定販売される。またNFTデジタルシールは26日(金)より、LINE株式会社のグループ企業であるLVC株式会社が提供するNFT二次流通マーケットプレイス「LINE BITMAX Wallet NFTマーケット β」での出品、購入が可能になる予定。

シール保有者に付与される「おまんじゅうポイント(OMJ)」の新しい用途も発表された。シールは「プレス」を行って、用意された「背景」や「フレーム」を選びカスタマイズすることで完成する。「OMJ」を最大値の20ポイントまで貯めたシールは、イラストの一部が特別なデザインに変化する「サイ(再)プレス」が行えるようになる予定。

スクウェア・エニックスは2021年11月に公開された第二四半期決算資料の中で、ブロックチェーンゲームへの本格参入を表明しており、今後「資産性ミリオンアーサー」正式リリースも予定している。

3.米NFL、NFTマーケットプレイスを立ち上げ

米アメリカンフットボールのプロリーグであるNFLが、NFTチケットのマーケットプレイス「https://nfl.live-nfts.com/」を開始したことが19日に分かった。

NFLは、2021-2022シーズンの特定の試合で「バーチャル記念チケットNFT」を発行すると発表。ファンは、チケット販売所「Ticketmaster」で発売される特定の試合のチケットを購入し、実際に観戦することでNFTを入手できる。

またNFLは32チームの限定NFTもリリースし、マーケットプレイスで販売している。NFTはイーサリアムブロックチェーンのスケーリング(処理能力拡大)ソリューションであるポリゴン(Polygon)上で発行される。

2021年9月には、NFLは「NBA Top Shot」などのNFTゲームで知られるDapper Labsと提携し、選手のベストプレーの瞬間を切り取ってNFTトレーディングカードとする計画を発表した。こちらはDapper Labsの提供するFlowブロックチェーン上で提供する予定だ。

米プロバスケットボールリーグのNBAのNFT「NBA Top Shot」は、2020年10to月にリリースし、2021年5月には累計売上高が7億ドル(約77億円)を突破したと発表した。NFLがNBA Top Shotに次ぐスポーツNFTとして成功するか、注目だ。

4.NFTマーケットプレイスOpenSeaの評価額が100億ドルに

世界最大のNFTマーケットプレイス「オープンシー(OpenSea)」の次の資金調達ラウンドで、投資家が同社の評価額を100億ドル(約1.14兆円)と見積もる可能性があると、米ニュースメディア「The Information」が17日に報じた。

OpenSeaの取引額は、2020年12月には月10万ドル(約1140万円)程度だったが2021年のNFTブームによって急増。2021年8月には34億ドル(約3876億円)を記録した

OpenSeaは、2021年7月にシリーズBの資金調達ラウンドを完了。米ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツが主導し、15億ドル(約1710億円)の評価額となっていた。