英国王立造幣局NFTが発売中止「崩壊待つバブル」懸念ぬぐえず

2023/03/29

英財務省は3月28日、英国王立造幣局が発行する公式NFTの発売計画を中止すると発表した。英BBCは財務省特別委員会の「こうした投機的なトークンに資金を投じるべきだという根拠が少ない」という意見を報じている。

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NFTの発売計画は、英リシ・スナク首相が「英国のためのNFT」として2022年4月に王立造幣局に要請。スナク首相は「明日の暗号資産ビジネス、それらが生み出す雇用をここイギリスで見たいと思っている。効果的に規制することで、長期的に考え投資するのに必要な自信を与えることができる」と述べていた。

英財務省は同月、暗号資産分野の成長促進などを目指した施策の枠組みを発表している。信頼性と安全性を確保して投資や雇用を促進し、英国の「暗号資産技術と投資のグローバルハブ」化を目指す一環として、NFTの発売は政府も支援。経済活動の活性化へブロックチェーン活用の可能性などを探るため、22年夏をめどに発行を目指していた。

しかしNFTの投機的な側面による「崩壊を待つバブルになりかねない」との懸念がぬぐいきれず、王立造幣局と財務省との協議により中止に至ったという。BBCによると、発表を受け財務省特別委員会のHarriet Baldwin委員長は「有権者が全財産を失う覚悟がない限り、こうした投機的なトークンに資金を投じるべきだという根拠が少ない。発売中止の決定はおそらくそのためだろう」と述べている。

英国では22年2月、歳入税関庁(HMRC)が140万ポンド(約2億3000万円)を脱税した疑いがあるNFT3個を押収し、関与した3人を逮捕。英国でNFTが押収されるのは初のケースで、容疑者らは、偽の身分証明書や盗難証明書、VPNなどを使用していた。押収されたNFTや暗号資産は犯罪の道具として使われたわけではないとのことだったが、規制の必要性が指摘されていた。