米ディズニーがメタバース部門解散、短期的成果見えづらく事業再編

2023/03/29

米ウォルト・ディズニーが、メタバース戦略の開発部門を解散することが3月28日、わかった。2月に発表していた約7000人の従業員削減と事業再編の一環で、短期的な成果がわかりづらい事業を整理する動きが強まっているという。

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メタバース部門は、消費者向け製品部門幹部だったマイク・ホワイト氏が率いており、約50人が所属していた。ディズニーは2021年11月の決算報告で、同社の所有する豊富な知的財産(IP)を活用した新しい体験提供手段の一つとして、メタバース参入を準備していると表明。具体的な内容にこそ触れなかったが「これまでの取り組みは、物理的な世界とデジタルの世界をより密接に結び付け、境界のない物語を実現するまでのプロローグにすぎない」と言及していた。

同年末には、ヘッドセットなどの機器なしで拡張世界(AR)を楽しめる「バーチャルワールドシミュレーター」の特許を取得。22年9月には、3年ぶりに開催された世界のディズニーファンが集まるイベント「D23 Expo」で、米カリフォルニア州のディズニーランド・リゾートなどのテーマパークを訪れたゲストや、動画配信サービス「Disney+( ディズニープラス)」の視聴者のストリーミング習慣から得たデータをメタバース戦略に活用すると明らかにしていた。ユーザーの個別の好みに合わせた娯楽体験の提供を目指すとしており、Web3事業への強い意欲と注力をみせていた。