複数メタバースの連携自在に、金融機関など10社で基盤を構築

2023/02/28

国内金融機関とIT企業など10社が共同で、企業向けのオープンメタバース基盤を構築する。プラットフォーム内メタバース同士の連携や異なるプラットフォーム同士を相互運用できるようにすることで、社会インフラとして国内企業の情報発信やマーケティング、働き方改革などを目指す。

参加するのは、ジェーシービー(JCB)、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、りそなホールディングス、損害保険ジャパン、凸版印刷、富士通、三菱商事と、ビジネス開発のTBT Lab。TBT LabグループのJP GAMESが開発したメタバース構築フレームワーク「PEGASUS WORLD KIT(PWK)」を用いたオープンメタバース基盤「リュウグウコク(仮)」の構築とともに「ジャパン・メタバース経済圏」の創出に向けて基本合意書を締結した。ジャパン・メタバース経済圏とは「リュウグウコク(仮)」を活用した異なるメタバースサービス間やメタバースプラットフォーム間の相互運用によって形成されるエコシステムという。

「リュウグウコク(仮)」は、ファンタジーな世界観のオンライン異世界ロールプレイングゲーム(RPG)の要素を取り込んだメタバース基盤になる。ゲーミフィケーションやFinTech、ICTなど参加各社のテクノロジーやサービスを統合して構築する。提供される各メタバースサービスやコンテンツは、それぞれが移動する「街」や「城」「乗り物」になり、ユーザーは異世界を旅するRPGの感覚で多様なコンテンツやサービスとの出合いを楽しむことができるという。

ゲーム内の本人認証や決済などに、参加各社の持つソリューションを活用する。アバターの行動を自動学習し、ヘルスケアや趣味などのパーソナライズされた情報提供を行う「AUTO LEARNING AVATAR(ALA)」、ゲームイベントを作成できる「RPGエディター」や写真からメタバースを簡単に作れる「RIV Technology」など、プレーの拡張性に優れた「PEGASUS WORLD KIT(PWK)」、
メタバースサービスを自由に行き来するための決済機能付き身分証明証「MULTI MAGIC PASSPORT(MMP)」などの機能を提供する。

こうした技術は、現実世界の利便性向上にも活用できるとのこと。同基盤を国外の企業や行政機関に提供し、ジャパン・メタバース経済圏のグローバル拡大を目指すという。