AmazonのNFT、4月に提供開始か「市場に大きな波紋を」

2023/01/30

米インターネット通販最大手Amazon(アマゾン)が、新しくデジタル資産企業を立ち上げ、春にもNFT関連事業を始めるという。米暗号資産メディアBlockworksが1月27日、報じた。

4月をめどに、ブロックチェーンベースのゲームとNFTアプリケーションを提供するとみられる。Amazonのユーザーがブロックチェーンベースをプレーすると無料のNFTが入手できるよう、開発中とのこと。関係者によるとAmazonは新事業へ向け、レイヤー1ブロックチェーンの事業者やブロックチェーンゲームの開発関係者、暗号資産取引所などの“有力者”との協業を進めているという。

NFTやゲームを提供するプラットフォームの詳細は明らかになっていないが、Web3関連サービスも提供しているクラウド事業の「Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)」ではなく、Amazonの本体で運営される予定。AWSでは2019年4月、ブロックチェーンを簡単に作成、管理できるサービス「Amazon Managed Blockchain」をスタートし、21年3月には同サービスのイーサリアムへも対応も始めている。また12日には、Avalancheブロックチェーンを提供するAva Labsとの提携を発表していた。

AmazonはNFT以外にも幅広くWeb3プロジェクトを模索しており、多くの人員を新しく雇用するのではとも推測されている。記事では「顧客数を考えれば、NFT市場に大きな波紋を投げかける可能性がある」と記し、新しいNFTマーケットプレイスの立ち上げを、競業大手のOpenSeaなどがすでに警戒しているとも指摘している。

Amazonのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は22年4月、米CNBCのトーク番組「Squawk Box」に出演し、暗号資産の扱いやNFTなどへの見解を表明。自身はビットコインなど暗号資産を保有していないことを明らかにした上で、Amazonの決済手段に暗号資産をすぐに導入するとは計画していないと述べていた。しかし「暗号資産やNFTは将来的に、より普及すると考えている」と期待感をみせており、デジタル資産事業への前向きな姿勢を示していた。